旭日旗問題での裁定が物議をかもしている。本日2017年7月20日、アジアサッカー連盟(AFC)は、「サポーターが旭日旗を掲げた問題」に関する川崎フロンターレ側の上訴を棄却。

この決定に対して、川崎フロンターレのサポーターはどう思っているのだろうか? ——と気になったので、その胸の内を聞いてみた。

・川崎Fサポの旭日旗事件

「そもそも何が起こったのか知らない!」という読者のために、まずは簡単にことの発端を説明したい。事件が起きたのは、2017年4月25日に行われたアジアチャンピオンズリーグ、韓国の水原三星 VS 川崎フロンターレの試合。

スポニチが報じるところによると、川崎フロンターレの男性サポーター2人が旭日旗を座席に掲げたそうだ。それに気づいた水原側がAFC派遣の監督官に報告した上で、旗を没収。試合後は、水原サポーターが川崎サポーターの陣取るスタンドに押し寄せて一触即発の事態になったとのこと。

これを受けて、AFCは川崎フロンターレ側に執行猶予付きの無観客試合を1試合、罰金1万5000ドル(約170万円)を課すことを発表。しかし、川崎側は「旭日旗に政治的、差別的な意図はない」として上訴することに。

その結果……先述の通り、川崎側の主張は退けられたのである。

川崎側からすれば、納得いかない裁定となったであろうAFCの発表。そこで、熱狂的サポーターの1人にどう思うのか聞いてみた。

・熱狂的ファンが身近に

今回話を聞いたのは、ロケットニュース編集部にとってめちゃくちゃ身近な人物だ。私(筆者)の5メートルほど先に座って仕事をしている営業の高橋である。

https://instagram.com/p/BWAROVGhCUc/?taken-by=takahashi.naotsu&hl=ja

高橋は、休日ともなれば川崎フロンターレの本拠地・等々力競技場に足を運んで応援に精を出す熱狂的ファン。試合を観戦しすぎて日焼けしている彼に、今回の事件に関する感想を聞いてみると……

開口一番に飛び出したのは、「ありえないっすね」という言葉。そこから、「よく聞いてくれた」という表情で、色々と語ってくれたぞ。

・ファンの意見

高橋:「本当、棄却されるとか信じらんないっすよ」

——やはり、ですか。

高橋:「ファンの間で言われていることなんですが、今回の事件は、ゴールネット裏に陣取ったサポーターが大々的に旭日旗を振って挑発したワケじゃないんですよ。問題になった旭日旗は、川崎のサポーターが熱く応援しているゴールネット裏からはちょっと外れたところで、垂れ下がってたって感じなんです。

それがトラブルの元になっちゃうというね……」

——そうだったんですね。

高橋:「そして何より、川崎のゴールキーパーは韓国人(チョン・ソンリョン)で、サポーターはもちろん、彼に対して試合中にすごい声援を送っているわけです。当たり前のことですが、選手の国籍なんか関係無いですよ。サポーターは選手全員を応援して、一緒に戦ってるんです。

その空気を毎週のように味わっている僕から言わせれば、川崎のサポーターに国籍・民族的な差別意識なんか無いですよ。もし、差別意識を持っている人がいるとすれば、それは “ほんのごく一部” です。

『その “ほんのごく一部” が問題なんだ』と言われれば確かにその通りですが、川崎のサポーター全体がそのように思われるとしたら……こんな悲しいことはないですね。

重要なことなのでもう一度言いますが、川崎フロンターレのサポーターは差別意識なんか持って無いです。そして何度でも言いますが、今回のような裁定が出てしまったのは納得がいかない。 “悔しいです” としか言いようがないですね」

参照元:スポニチ
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼川崎の旭日旗問題でイラストを描きながら説明する高橋。「納得がいかない」「悔しいです」と何度も口にしていた