実写映画化にドラマ化と、現在ノリにのっている『週刊少年ジャンプ』作品と言えば……そう『銀魂』だ! 連載から約13年経つというのに、いまだ色褪(あ)せることを知らない。なによりもギャグ回とシリアス回の織り交ぜ方が秀逸すぎる、他に類を見ない作品だ。

今回は同作品が大好きな記者が、オススメの話を10種紹介する。正直、全作品の完成度が高すぎて選ぶのは大変だった。というか選べない。だって、全部オモシロイんだもん! そんな葛藤をしながらも、心を鬼にして選び抜いた作品を以下に挙げた。読まないヤツは士道不覚悟で切腹だァァァァ!! 

・ミツバ篇(15・16巻)

dTV配信オリジナルドラマでの実写化が決定しているミツバ編。間違いなく、銀魂史上最高の感動作だ。江戸の治安を守る真選組の一番隊隊長・沖田総悟の姉、ミツバを巡る陰謀の話なのだが、1話の完結した物語として、銀魂を知らない人でも存分に楽しむことができる。

姉のため、友のために戦う真選組の面々がとてつもなくカッコイイっ!! また、この回で真選組副長・土方十四郎が発した「俺ァただ、惚れた女にゃ幸せになってほしいだけだ」と言うセリフに全女性読者が萌え死んだことは言うまでもない。

・真選組動乱篇(19・20巻)

真選組内の人間模様を描いた作品だ。見どころはなんといっても真選組鬼の副長・土方十四郎が、妖刀のパワーに飲み込まれオタク化するところ! 普段とのギャップがすごすぎて笑いが止まらないこと必至。また真選組内の絆の強さや、日ごろ反発しあっている主人公・坂田銀時らと、土方十四郎が珍しく協力し合うシーンも胸アツだ。

・好かれないものほど愛おしい(20巻)

銀時の愛読書と言えば、『週刊少年ジャンプ』。ある日、銀時がジャンプで連載中の『ギンタマン』がつまらないとボヤいていたところ、同作品の編集者である小西と出会う。銀時は『ギンタマン』を面白い漫画にしようと、小西とともに作家のもとに向かうが……。

この話の中で銀時が言及していることが、とにかく的を射ている。例えば「(キャラの)シルエットで見分けつく位じゃねーと少年漫画はやってけねー」など。なるほど、売れる漫画にはこのような仕掛けがあるんだとよくわかる話だ。というか、ソコまでさらけ出せてしまうところが、さすが銀魂としか言いようがない。

・幽霊旅館篇(23巻)

銀魂作品の最大の魅力は、やりたい放題やってくれるところ。幽霊旅館篇も、突き抜けた作品の一つ。『ジョジョの奇妙な冒険』をパロッたり織田信長らが登場したり、ラストには銀時が『千の風になって』を歌うなど、何でもござれ。しかしながら、ひとつのまとまった話として完成している点がアッパレである。

・寝る子は育つ(27巻)
思わず「わかる~」と思ってしまう内容。誰しも、夜中に目がさえて眠れなくなることはあるかと思うが、その様子を銀魂らしく面白オカシク描いた作品だ。ヒロインの神楽が「今迄どうやって寝てたのかわからなくなってきたアル」という言葉を、記者も眠れない夜にたびたび思い出している。

・二度あることは三度ある(37巻)
冗談抜きで笑い過ぎて腹筋が崩壊する本作。銀魂シリーズにて、将軍・徳川茂茂が登場するギャグ回はハズレがない。間違いなく面白い! この回は将軍が銀時たちとプールで遊ぶ話。最終的にブリーフ姿の将軍に、全裸の男たちがひざまずくという謎すぎる結末を迎える。

・忘年会でも忘れちゃいけないものがある(39巻)

忘年会にて、羽目を外し過ぎた銀時。一夜にして周囲の女性に手を出しまくった……!? アニメ銀魂5年目にして最大の不祥事に焦り、ジタバタする様子が銀時ファンとしては可愛そうで仕方がない。しかしながら、目が離せないストーリーなので、ラストのラストまでしっかり読むべし。

・愛にプラスもマイナスもなし(40巻)

恋愛ゲームに熱中し過ぎてリアルとの区別がつかなくなっている志村新八の目を覚ませようと、自らもゲームをやってみる銀時。 なぜか銀時の相手は、『渡る世間は鬼ばかり』のアノ人。結果、銀時の方がゲームに没頭していき、笑劇の結末を迎える。

・フェニックスは何度も蘇る(52巻)

登場人物の長谷川泰三ことマダオの口から、深い言葉が次々と飛び出す作品。「終わらない夏休みなんて無間地獄と変わらねーんだ」という言葉には、思わずうなずいてしまった。確かに、起伏があるからこそ休んでも楽しいというものだ。また、タイトルからもわかるように、本作では『聖闘士星矢』のパロディが満載であるところも見どころの一つ。

・新しき者と旧き者(59巻)

コンビニで立ち読みをしていた記者が、思わず涙してしまった回。日ごろ真選組局長・近藤勲のストーカーに悩まされている志村妙だが、近藤のことを心の底では信頼しているんだなと感じられて胸が熱くなった。というか、近藤勲と志村妙、もういい加減にくっついてくれ。

読んでみるとわかるが、作者の空知英秋さんは、とにかく発想と言葉のチョイスが素晴らしい。記者もライターの端くれとして、読むたびに負けてられないなと思ってしまう作品でもある。

非常に残念なことに、銀魂が最終章に突入しているのは公表されている通りだ。そんなことを言わず、ぜひ今後も描き続けてほしい。いちファンとしてはシリアスパートにけりがついたら、ギャグパートを書き続けてほしいんだよ。お願い!! 300円あげるからァ~!

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.