錦織圭選手が3年連続4回選進出を決め、日本でも大いに盛り上がりを見せている全仏オープン。熱い試合を連日楽しみにしているテニスファンも多いはずだ。

そんな全仏の男子シングルス2回戦で、ある熱いドラマが展開し話題となった。号泣する選手を相手の選手がギュッと抱きしめ、優しく慰める出来事が起こったというのだが……詳細をお伝えしたい。

・試合中に動けなくなってしまった選手

それは2017年6月1日のファン・マルティン・デルポトロ選手(アルゼンチン)とニコラス・アルマグロ選手(スペイン)の試合。両選手が1セットずつ取った後、第3セットに突入したときのことだ。

海外スポーツメディア『ESPN』によると、アルマグロ選手は左ひざの故障が原因で、数週間前に行われた BNL イタリア国際で棄権を余儀なくされたそう。今回の第3セットでも再び左ひざが悲鳴を上げ、第3ゲームでは動けなくなってしまったというのだ。

・絶望のあまり泣き始めるアルマグロ選手

その時の様子が収められた動画には、デルポトロ選手のサーブに全く反応せずに、身をかがめるアルマグロ選手の姿が映っている。そして地面を見つめながら首を振った後、絶望したように頭を抱える。

そんな彼を、心配そうに見つめながら歩み寄るのがデルポトロ選手だ。声をあげて泣きながら地面に倒れ込んでしまったアルマグロ選手の傍らにしゃがみ込み、体をさすりながら、静かに慰め続ける。

・デルポトロ選手「気持ちはよく分かる」

アルマグロ選手の棄権が決まった試合後の抱擁では、デルポトロ選手は力強く相手の背に手を回した。ベンチでも横に腰掛け、「落ち着いて。家族のこと、子供のことを考えるんだ」などと話しかけていたそうだ。

自身もヒドい怪我に苦しみ、2012年以来全仏に出場できていなかったデルポトロ選手。Twitter 上でもアルマグロ選手に対して「はやく怪我が治りますように。気持ちはとてもよく分かる。頑張って」と呼びかけている。ちなみに、両選手はジュニア時代からの友人だということだ。

参照元:ESPN(英語)、Twitter @delpotrojuan、Facebook[1][2]
執筆:小千谷サチ

▼デルポトロ選手が「頑張って」とツイート

▼絶望のあまり泣き出すアルマグロ選手

▼優しく慰めるデルポトロ選手