計画、準備段階での処罰が可能となる「共謀罪」。現在、国会では「共謀罪」の構成要件を改めた「テロ等準備罪」の審議が続いている。安倍首相はテロ対策を強調しているが、そのテロリストをどうやって見つけるのかということについて不安視する声も少なくない。

つまり、監視・検閲などによって思想の自由が侵害されるのではないかということだ。この法案に対して、ミュージシャンの佐野元春さんがFacebookで反対の意を表明していたためお伝えしたい。

・投稿の内容

2017年5月18日に佐野元春さんの公式Facebookページに投稿されたのは、現在まさに国会審議中の法案についての意志表明。内容は以下の通り。

「僕の蒼い鳥がそう言っている
佐野元春
政府が進めている『共謀罪』に危険なシルシが見える
スーザン・ソンタグは言った
『検閲を警戒すること、しかし忘れないこと』
アーティストにとって、検閲は地雷だ
表現が規制されることほどきついことはない
政府は言う、普通の人には関係ない
しかし判断するのは権力を持つ者、警察だ
ダメと言われたらそれでアウト
戦前の治安維持法と似ている
当時のアーティストはどう感じただろう
あの人は言う
自由に唄えるだけましだ
個人は全体に尽くすものだ、と
そうだとして
もし真実が醜い幻ならば
自分は何を信じればいいのだろう
あの人は言う
気にくわないから逮捕する
そう言われたら
誰もが面倒になって黙ってしまうだろう
スーザン・ソンタグは言った
『社会においても個々人の生活においても、もっとも強力で深層にひそむ検閲、それは自己検閲』
丘の向こう、陽が暮れる前に、歌わなくちゃいけないことがある
僕の蒼い鳥がそう言っている
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この本の序文に勇気づけられた。-佐野元春
スーザン・ソンタグ・著『良心の領界』
■タイトル:『良心の領界』
■著者:Susan Sontag (原著)
■木幡 和枝 (翻訳)」

──アメリカの小説家スーザン・ソンタグの著書を引用しつつ、詞的な表現で反対の意を表明している。音楽以上に、そのメッセージ性が評価されている佐野さんらしい意志表明と言えそうだ。なお、日本経済新聞によると、与党は19日の衆院法務委員会で同改正案を採決する構えとのこと。

参照元:佐野元春Facebook日本経済新聞
執筆:中澤星児

▼僕の蒼い鳥がそう言っている