聞くところによると、スポーツジムの新規入会者は3月~5月にかけてが最も多いそうだ。そう、そろそろやって来る夏を見越して「始めるなら今しかない!」と意を決して入会する人が大勢いるためである。
体力作りや健康面を考えると、それ自体は素晴らしい心がけだが、ジム通い歴10年以上の私、P.K.サンジュンは心を鬼にしてこう言わねばならない。「今からジムに通っても間に合わないよ」と。断言してしまおう、半年やそこいらで理想の肉体が手に入るほど世の中は甘くない。
・肉体改造の3大要素
まずは、肉体改造の3大要素を改めて説明したい。ハイブリッド肉体改造法の著者であり、プロレスラーの船木誠勝さんによれば、
「健康で素晴らしい肉体は、有酸素運動、筋力トレーニング、ダイエットの3点を徹底的にやれば生まれます」
……とのことである。私自身もこの言葉を信じ、過去に様々な肉体改造に取り組んできたが、身をもって「マジでそうだな」と実感している格言中の格言だ。
・筋トレの効果
この格言に当てはめると “ジム通い” は「筋力トレーニング」に相当する。ジムで有酸素運動をする人もいるかもしれないが、有酸素運動はジムでなくても行えるため、今回は「筋力トレーニング」に絞って現実をお伝えしたい。
あくまで個人の体感だが「有酸素運動」「筋力トレーニング」「ダイエット(食事制限)」の中で、もっとも効果を得るのに時間がかかるのが筋トレだ。目標をどこに設定するかにもよるが、男性の場合、「いい体してるな」となるにはかなりの時間がかかる。
なぜなら筋肉は「筋トレ(破壊) → 休憩(回復) → 筋トレ(破壊)」と、筋肉が付くまでに一定の時間を要するからだ。さらに回復期間中は、適度にたんぱく質も補給しなくてはならないので「筋トレした分がそのまま筋肉になる」という単純なロジックではないのである。
・即効性のある肉体改造は?
もちろん今から筋トレを始めても無駄にはならないが、この夏にムキムキになるとは思わない方がいい。では、とりあえず見栄えのする体になるためには何が一番効果的なのか? 答えはダイエット、つまり食事制限である。
健康にいいかどうかは諸説あるので置いておくが、食事制限は効果が出るのが最も早い。よくいう「炭水化物抜きダイエット」などは1カ月もあれば、脂肪が落ちて見た目はガラリと変わるハズだ。ただし、やめた途端に急激にリバウンドするので「その時だけ痩せてればいい!」という人向けの方法といえるだろう。
また、「昔はメチャメチャ運動してて、今でも筋肉が残っている」という人は、食事制限だけでまあまあいい体になる。男性の場合、実は腹筋自体はある人が多いから、脂肪が落ちて腹筋が割れて見えれば、一気に見栄えのする体になるに違いない。
というわけで「この夏の一瞬に賭けたい!」という人は食事制限を中心に頑張ってみてはいかがだろうか? もちろん、翌年、翌々年、さらにその先を見据えて今から筋トレや有酸素運動を総合的にこなすのがもっとも健康的だ。一番大切なのはずっと続けること、つまり継続である。
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼「1カ月間、毎日10キロ走る」ダイエットはキツさの割りにそこまで効果が得られなかった。
▼この夏の一瞬に賭けたい人は、食事制限がオススメだ。ただし、やめたら普通にリバウンドするぞ。