もうかれこれ4カ月ほど前の話になるのだが、キモい痛車で車検に落ちた。痛車というのは、我が愛車の「ミニカちゃん」こと、約3年前に980円で購入した軽自動車の三菱「ミニカ・グッピー」……を、吐き気がするほどキモいおっさん仕様にした車だ。
いちおう、ミニカちゃんの所有名義は私(羽鳥)であり、名古屋に税金を納めているのも私なのだが、ハッと気がついたらキモい痛車「佐藤カー」になっていた。そして……佐藤カーになってから数十日の間に、車検の満了日を迎えてしまったのである。
・ユーザー車検は本当に安い
約2年前にも、車検満期日ギリギリに挑戦したが、ミニカちゃんの車検は「ユーザー車検」と決めている。なぜなら料金がべらぼうに安いからだ。前回の総費用は自賠責保険料込みで3万5600円。しかも一発合格だった。詳しくは過去記事を参照のこと。
当然、次の車検もユーザー車検と決めていた。この2年間の間にタイヤも交換しているし、ライトも交換しているし、なにげにエンジン周りのメンテナンスもオートバックス等でやってもらっている。ゆえに調子は以前よりも絶好調。だがしかし……
2年前と決定的に違うのは「車検場に持っていくのが恥ずかしい」ということ。できることなら、この痛車カスタムの発案者であるYoshio氏に車検も実行してほしい。しかし所有者は私なので、そのまま私が持っていくのが一番てっとり早いのである。
・すべては2年前と同じ……はずだった
まずは「軽自動車検査協会」のホームページから車検日を予約。車検場も選択可能で、私が選んだのは2年前と同じ「東京主管事務所」だ。そして当日、持参した「車検証」、「軽自動車納税証明書」、「自賠責保険証明書」を受付に提出して……と、このへんの流れや必要書類は2年前とまったく同じなので過去記事を参照してほしい。
ちなみに、この時点での支払総額も2年前とほぼ同じ。内訳はこうだ。
・検査法定手数料:1400円
・自動車重量税印紙代:8800円
・軽自動車第2号様式用紙代:30円
・自賠責保険24カ月分:2万6370円
→ 合計金額:3万6600円
2年前よりも自動車重量税印紙代が1000円アップしているが、それでも安い。本当に安い。これがユーザー車検の魅力である。しかも、何事もなければ、検査もあっという間に完了する。申請から検査完了まで、長く見積もっても30分でおさまる感じだ。そのスピード感も魅力……なのだが! 今年はそうは問屋がおろさなかった。
一体全体、なぜキモい痛車はユーザー車検に落ちてしまったのか? やはり佐藤の写真がダメだったのか? そして、この記事のタイトルにある合計金額「3万7900円」から、前回の合計金額「3万5600円」と、自動車重量税印紙代のアップ額1000円を引いた差「1300円」とは何のための費用なのか? すべての謎は……次ページで公開だ!
参考リンク:軽自動車検査協会
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
今回もまた2年前と同じく、漫画家マミヤ狂四郎による渾身のメカニカルイラスト(コピー)と共に、ユーザー車検の検査のもようをお伝えしたい。まずは電気関係。
ウインカーやホーンを操作し、カッチカッチのプップクプーで楽勝クリアだ。しかしここで、フロントガラスに貼ってある「前回の車検シール」を綺麗に剥がせとの指令が出た。爪でカリカリと剥がしてみたが、なんだかみずぼらしくなっちゃった(;_;)
続いては排気ガス検査。自分でマフラーに「長細い棒」をズボッと突っ込み、ンボボボボ……で1発クリア。もっと具体的な検査の説明は、過去記事に詳しく載ってるぞ。
検査は快調に「サイドスリップ検査」へと進んだ。白線ギリギリをゆっくりゆっくり……で、ハイOK。残す検査はあと2つ! しかも一番楽しそうな検査が次だ!!
お楽しみの「スピード・ライト・ブレーキ検査」の時間がやってきた。まるでミニ四駆の「スピードチェッカー」みたいな、ローラー付きの台に車を乗せて、ブインブインとアクセルON。スピード検査&ブレーキ検査は1発でクリア。だがしかし……
その後の「ペカペカ」とライトを点けてビーム角度の検査で、検査マシンは無慈悲にも「☓」を表示した。審査員も「ウーン」と唸り……と、突然ここで検査は終了! そう、なんとまさかの不合格である!! えええええっ……な、なんで……( ;∀;)
検査員の解説によると、どうやらライトの角度がよくないらしい。「ビミョーに、左右のライト、それぞれが見当違いな方向を向いている」とのこと。んでもって、無情にも「ライトの角度を調整してから再挑戦してください」ときた! エーッ!!
(今から急いで帰って、どっかの車屋さんで調整してもらって、また改めて日取りを決めて予約して……って、車検の満期ギリギリだし、そんな時間ないんですけど……)
──と思いきや、検査員は予想外すぎるアドバイスをしてくれた。ななな、なんと!!
検査員「えっと、この車検場の裏に、民間の整備屋さんがあります。そこでビーム角度を調整してもらって、また今日のうちに来てください。車検の予約はしなくて大丈夫ですので」
──と! なんでも、仮に日を改めてしまったら、車検代の「1400円」もあらためてかかってしまうので、今日のうちが絶対に良いと。言われたとおりに車検場を出て、グルリと裏手に回ってみると……
あった! 整備屋さんのオッチャンに事情を説明……するよりも先に、オッチャンのほうから「どこがダメだった?」と聞いてきた。「ビームっす」と答えると「角度だな。オシオシ」と、瞬く間にボンネットを開けてライトを調整し始めたではないか!
ついでにフロントガラスの車検シールについても相談したら「ああ、了解」と、これまた専用工具を持ってきて、あっという間にピカピカにしてくれた! なんという神! なんというプロフェッショナル!! ありがとう整備屋さんのオッチャン!
で、これらの整備代が、前ページの謎だった、差額の「1300円」だったのである。
・整備後は余裕でクリア
ふたたび車検場に戻ると、すぐに「スピード・ライト・ブレーキ検査」まで通してくれた。そして、オッチャンが調整したビーム角度は……バッチリOKの1発クリア!!
その後は、最後の検査となる「下回り検査」。2年前は「タイヤの溝があと3ミリ削れてたら不合格」だったが、今年はタイヤ交換もしているので余裕のクリア。
そして最後の最後に、待ちに待った「100円入れたら楽しいメロディと共に上下に揺れるクルマの遊具」に乗ってる幼少時代の気分に戻れるステアリング検査。ハンドルグルグル〜\(^O^)/ これ、ホントのホントにチョー楽しい!
てな感じで、1度目の車検に落ちた原因は「ビーム角度」のみ。しかし1300円のオッチャン整備を経て、2回目の検査で見事合格と相成ったのである。かかった時間は、整備の時間をふくめて1時間20分。総費用は自賠責保険料込み3万7900円なり。2018年の11月ごろに迎える次回の車検時、ミニカちゃんはどんな姿になってるのかなァ〜……。
参考リンク:軽自動車検査協会
Report:GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24.
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