あなたは幽霊を信じますか? まことしやかに語り継がれる怪談・都市伝説、全国各地での目撃談や奇妙な事故の数々……そんな激ヤバ心霊スポットに潜入リポートするのが「心霊スポット検証」である。今回は、大都会東京のど真中にあるにもかかわらず、霊の噂が後を絶たない公園をリポートしたい。
新宿区にあるその公園の名は「戸山公園」。広大な面積を誇るこの公園は、地元住民の憩いの場だが、深夜は数多くの怪奇現象が起こる心霊スポットとして知られている。一体どんな恐怖が待ち受けているのだろうか……。
・100体以上の人骨
戸山公園は、東京メトロ西早稲田駅から徒歩10分ほどの住宅街を抜けた場所にある。その昔、旧陸軍の医療施設が点在していたこの一帯からは、なんと100体以上もの人骨が発見されており、一説では関東軍第731部隊による人体実験の犠牲者とも言われている。ネットでは「ガチで “出る” 公園」として話題だ。
その中でも、公園内にある標高44.6メートルの『箱根山』山頂では男性の泣き叫ぶ声が聞こえるとの噂がある。深夜は誰も近づかないという箱根山。はたして声の正体は何なのか。それを確かめるため、さっそく私(りょう)は戸山公園に向かった。
・人通りが全くない
深夜0時すぎ、西早稲田駅に到着。交通量が多い明治通りを渡り、すれ違った男性に公園までの道を尋ねる。見知らぬ街に来る度、いつも思うのだが、地図を見るより人に聞いた方が圧倒的に分かりやすい。ついでに戸山公園の怪奇現象についても聞いてみたところ「夜中に人魂を見たことがある」と話していた……。
教えてもらった通りに進むと、住宅街に出た。この時間になると、さすがに明かりが灯る家は少ない。人の姿は皆無だ。閑散とした様子に、若干の不安を感じつつも先を急ぐ。
すると、突然看板が目に飛び込んできた。へ? 暗くて気づかなかったが、すぐ目の前にはうっそうとした森が広がっている。どうやら戸山公園にたどり着いたらしい。ここに噂の箱根山があるのか?
園内には数メートルおきに街灯が灯っているが、非常にうす暗い。道は整備されていてウォーキングコースになっているものの、足元に注意しながら公園の奥へ入っていく。まるで何かに誘われるかのように……。
・不気味な階段
公園に入ったはいいが、箱根山がどこにあるのか分からない。いくら進んでも登山口のようなものはなく、さっきから同じ場所をグルグル回っている気さえする。ヤバい、道に迷ってしまったのだろうか?
不安を感じ始めた、その時! 小高くなった斜面に階段を見つけた。もしやこれが箱根山の登山口だろうか? 風が止み、聞こえるのは落ち葉を踏む私の足音のみ。今にも何かが茂みから出てきそうで不気味だ。この先に待ち受けるものとは一体?
・振り向けない
背筋がゾクゾクする。不安が恐怖に変わり、目に映るすべてが恐ろしいものに見えてしまう。引き返したい……そう思うが、背後に人の気配を感じて振り向けない。見えない何かに後押しされるように、気持ちとは裏腹に一歩ずつ階段を登っていく。
すると、開けた広場に出た。どうやら山の中腹らしい。誰もいないベンチが寂しそうにたたずんでいる。きっと昼間は多くの人がここで休憩するのだろうが、今は座る気になれない。
・ついに頂上へ
恐怖を押し殺しながら、さらに階段を登ると……。
山頂が見えてきた。ここが噂の場所なのか!?
ついに山頂に足を踏み入れる。ここには灯りと呼べるものが1つもなく、全体像がハッキリしない。だがよく見ると看板が立っており、確かにここが箱根山山頂のようだ。高鳴る鼓動、恐怖のあまり全力疾走したように息遣いが荒くなる。ヤバい、誰か助けてーッ!
だが、ここまで来たからには幽霊の声を検証するしかない。これは自分の意志なのか? もはやそれすら分からないが、恐怖を振り払って幽霊に話しかける。さまよえし霊よ、何か伝えたいなら声を聞かせよ! 私が全て受け止めてやる!!
だが、いくら耳を研ぎ澄まし意識を集中させても、何も聞こえなかった……。照れ屋なのかもしれない。
幽霊の声を聞くことは出来なかったが、暗い山中を歩きまわりかなりの恐怖を味わったのは事実である。心霊スポットとして戸山公園を評価するなら、ドキドキ感は5段階評価で星3つ。肝試しにはオススメである。
なお、昼間は緑が豊かな癒しスポットで、箱根山に登頂したことを管理事務所に伝えると「登頂証明書」がもらえるという。興味のある人はぜひとも足を運んでほしい。
Report:心霊スポット評論家・りょう
Photo:Rocketnews24.
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