平和な日本に暮らしていると、世界中で数多くの子供や女性が人身売買されている事実を、実感することはなかなかないだろう。
しかし、全米では人身売買の犠牲者を見分けるプログラムが推進され、あるCA(客室乗務員)が犠牲者らしき少女に “秘密のメッセージ” を伝え、窮地から救い出したというのである!
・奇妙な組み合わせの2人組に不審感を抱いたCA
米アラスカ航空の客室乗務員シリア・フェドリックさんが、シアトルからサンフランシスコへ向かう航空便に搭乗していた時のこと。彼女は、みすぼらしい恰好をした14~15歳の少女と、身なりが整った男性が一緒に座っているのを見て嫌な予感がしたのだという。
シリアさんは直感的に、‟今までに少女が地獄を経験をしたよう” に見えたため少女に話しかけたのだが、隣の男性に会話を遮られてしまったのだ。そこで、シリアさんはトイレに少女宛のメモを残したところ、少女から「助けてほしい」との返事が返って来たのである!
・少女は人身売買の犠牲者だった!
少女から助けを求められたシリアさんはパイロットに連絡を入れ、航空機がサンフランシスコに降り立った時には、警察が待ち構えていたという。そして警察の調べで、少女は人身売買の犠牲者だったことが判明。男は現行犯逮捕されたのだ。
これは2011年に起きた事件だが、人身売買を食い止めるため、2009年に元CAのナンシー・リバードさんが慈善団体「エアライン・アンバサダーズ」を創設。同団体は全米を回り、任意でプログラムに参加したCAに人身売買の犠牲者の見分け方や、その後の対応を指導する活動を続けている。
・2016年にアメリカで逮捕された人身密売者は2000人にも
2016年には、米移民局と税関執行局が2000人の人身密売者を逮捕し、400人の犠牲者が保護されたとのこと。シリアさんに助け出された少女は現在大学へ進み、現在もシリアさんと連絡を取り続けているそうだ。
もし、シリアさんが機転を利かせていなかったら、今でも少女の地獄は続いていたかもしれない。こういった活動が広まり、一人でも多くの犠牲者が救われることを心から願うばかりだ。
参照元:Facebook @Shelia Fedrick、METRO、NBC NEWS(英語)
執筆:Nekolas
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