麻雀は闘いだ。捨て牌から相手の手を予想し、自分が生きる道を探すこのゲーム。警戒に警戒を重ねる相手の隙間を縫って、難易度の高い役満をあがった時の気持ちよさは他に変えがたい。得点の高さ以上に、そのアドレナリンが出るような快感を求めて、今日も麻雀好きたちは牌を打つ。
そして、役満の中でも「あがったら死ぬ」という都市伝説がささやかれるほど難易度が高いのが「九蓮宝燈」だが、なんと2016年12月26日から東急ハンズ池袋で「九蓮宝燈」ケーキが販売開始された。おいおい、オイラくらいになるとそんな甘っちょろい「九蓮宝燈」じゃ全然ひりつかねーよ! ……と思いきや、これが何気にウマかった。
・私と麻雀
私(中澤)が麻雀を始めるきっかけになったのは、高校の時にクラスで回し読みされていた麻雀マンガ『哲也』である。このマンガは、戦後復興期の日本を舞台に主人公の雀聖・阿佐田哲也が賭け麻雀でのし上がる半生を描いたもの。絵もかくかくしているのに、作中のキャラが渋すぎて、クラスではセリフをパクる人が続出していた。
・伝説の役満「九蓮宝燈」
印象深いのが、主人公哲也の師匠である「積み込みこそ芸術」の房州さんが、死に際にあがる「九蓮宝燈」。あがった直後にマジで死ぬというマンガ独特のドラマティックな表現が最高だった。ちなみに、連載されていたのは週刊少年マガジン。
・500円であがれます
そんな房州さんが命を懸けて出した「九蓮宝燈」に東急ハンズ池袋で出会うことになろうとは……。しかも、500円のケーキって。そんな甘っちょろい「九蓮宝燈」じゃ全然ひりつかないしアドレナリンも出ない。
だが、私も雀士の端くれ。一応買ってみることに。断じて、売り子の女の子がかわいかったから買ったわけではない。
・担当者の趣味丸出し
箱を開けてみると、美しく並んだ萬子(まんず)の行列。ヤバい! 死ぬ!! 反射的にそう思った私は、「九蓮宝燈」を見たことがない雑魚丸出しだ。それにしても、かなりの再現度である。
パッと見、雀鬼でもツモるレベルだ。絶対担当者の趣味だろこれ。それにしても、こんなの売れるんだろうか? とにかく食べてみたところ……
何気にウマい! 牌の表面はチョコで、下のスポンジはチーズケーキになっていて甘くシットリしている。ギャグかと思っていたら、かなり本格的な味だった。
・休憩の合間に
そういえば、脳が疲れた時は糖分が効果的だという話も聞く。ひょっとして、このケーキを作った担当者は雀士で、自分が麻雀の合間に食べるために開発したのかもしれない。なお、このケーキは2017年1月7日まで販売予定とのこと。雀士たちは、年末年始の勝負の際にいかがだろうか。
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼チョコの下にはチーズケーキ
▼『Fate』のお菓子もあり