宗教は人々の支えとなり心の拠り所となるべきものだが、残念ながら、時として争いの原因になってしまうことがある。そんななか、2015年6月に、「米国で大麻を崇める新興宗教 ‟大麻教会” なるものが誕生した」とのニュースを以前お伝えした。
大麻は日本では違法薬物だが、米国では4州で嗜好用大麻が解禁され、医療用大麻に至っては51州のうち24州で合法となっている。確実に、国民の生活に浸透しつつある大麻は、正直なところ ‟まっとうなイメージ” がある訳ではないが、全米で続々と誕生している大麻教会は、いたって平和的なようなのだ。
・正教師が率いる大麻教会がミシガン州に登場!
昨年に誕生した、全米初の大麻教会はインディアナ州で設立されたが、今回紹介するミシガン州ランシングで生まれた教会は、支部ではなく全くの別物である。
ランシングで、大麻教会を設立したジェレミー・ホールさんは正教師で、医療用大麻が合法とされているミシガン州に、妻と一緒に移り住んで来たという。
・大麻教会の信念は「BYOB」
大麻教会デビューの集会には約50人が集ったが、正教師が司る集まりとはいえ、聖書のような宗教観念が書かれた書物をもとに説教をするわけでもなく、特別な信条がある訳ではない。
この大麻教会は、それぞれの参加者が、大麻の使用により感じたスピリチュアルな何かをも持ち寄る ‟BYOB” スタイルなのだ。‟BYO” は「Bring Your Own:自分で持ち込み」の短縮形で、自分でワインやドリンクを持ち寄るレストランなどで使われる言葉だ。その言葉に引っ掛け、「Belief:信念」の ‟B” を加えた、なんとも粋な宗教観念なのである。
・大麻使用者に対する世間の先入観を変えたい!
そして、教会のもうひとつの目的は、世間の大麻使用者に対する見方を変えることなのだという。人々が大麻教会に集まることで地域を活性化し、大麻使用者が、堕落者や犯罪者でないことを証明することを目指しているのだ。
ジェレミーさんは、月に1回の集会を定着させ、大麻教会を盛り上げていきたいと語っている。
大麻教会は全米各地で次々に誕生しているそうだが、各地域で単発的に登場しているだけで、大きなムーブメントになっている訳ではないようだ。だが、これから嗜好用大麻を合法とする州が増えれば、本格的に新興宗教として広まっていく可能性はありそうだ。
参照元:Facebook @FCCoLaR、USA Today、METRO(英語)
執筆:Nekolas
Photo:Rocketnews24.