これからお伝えするのは、思わず「ネットってスゴい!」と叫びたくなるような出来事だ。今までにもSNS によって空港で迷子になった女性が救出されたり、誘拐された息子が両親と22年ぶりに再会したりと、ネットの力が良い結果を生み出したことは何度もあった。
今回のケースは、病気。ある女性が「謎の症状」に悩まされていたが、どの医者も原因が突き止められなかった。そこで女性が症状と写真をあるサイトに投稿したところ……「これって、この病気じゃない?」とネット民から返答があったのだ!
・ダンサーになりたかったローズさん
幼い頃からダンサーになりたいと思っていたシャイアン・アデル・ローズさん。ステージでスポットライトを浴びて、人々を楽しませたり感動させたいと夢見てきたようだ。
しかし12歳で左腕を骨折したことを皮切りに、彼女の長い通院生活が始まる。13歳のときには、毎日のように熱心にダンスの練習を行っていたが、骨がもろく、関節が外れやすく、手足の脱臼もしょっちゅうだったそう。足首やつま先が折れ、お尻が脱臼し、3年間も松葉づえに頼る生活が続いたのだとか。
・数えきれないほどの怪我を負ってきた
そして16歳、ダンス中に右側のお尻に衝撃を感じて、崩れ落ちてしまう。痛みのため横たわることしか出来ず、移動は車椅子。そのような生活は約1年間続き、医者もローズさんが再び歩けるようになるかは分からないと話していたそうだ。
そんなふうにしてローズさんは、数えきれないほどの怪我に悩まされ、多くの病院のお世話になってきたという。一時は回復し、ダンスも出来るようになったものの、2014年あたりから、再びヒドい腰痛、頭痛、失神に悩まされ、ダンス中に腕や脚の感覚がなくなることもあった。神経科医や神経外科医などの専門家に相談しても、誰も原因を突き止められなかったそうだ。
・ネット上で体験をシェア → 「この病気では?」との声が寄せられる
彼女は「明日、自分の体に何が起こるかは分からない。自分の好きなことをし続けてほしい」と多くの人に伝えたくて、自身の体験談と写真を海外サイト『Imgur』上でシェアした。すると、大きな転機が訪れた。
彼女の症状を見たネット民から、「エーラス・ダンロス症候群(EDS)関節可動亢進型」ではないかとの声が寄せられたのだ。これは、皮膚、関節の過伸展性、各種組織のもろさを特徴とする遺伝性疾患である。
・ローズさん「みんな本当にありがとう!」
このアドバイスを真摯に受けとめたローズさんが病院に行ってみたところ、正式に「EDS」だとの診断が下されることに。そう、彼女はやっと原因を突き止めたのだった。最初の投稿から5カ月後、彼女は再び『Imgur』に降臨し、笑顔の写真と共に以下のような感謝のコメントを寄せた。
「一生つき合わなければならない病気だけれど、みんな本当にありがとう! 何年にも渡って、自分の体に何が起こっているか調べ続けてきました。あなたたちの助言が無かったら、分からないままだったかもしれない。心の底からありがとう」
また海外メディア『ATTN』に対しても、「EDS であることを喜んでいるわけではありませんが、ずっと求めていた答えがやっと見つかったんです。あの瞬間は、とても静かで、清々しい気分がした」と語っている。
もちろんネット上の情報だけで、自身の体の不調を判断するのは危険な行為だろう。けれども、今回のようにネットの力で “真実” が明かされることだってあるのだ。
参照元:ATTN(英語)、Imgur[1][2][3]、難病情報センター
執筆:小千谷サチ
▼幼い頃から、ダンサーを目指してきたローズさん
▼しかし長いこと怪我に悩まされることに
▼松葉づえをついた生活
▼車椅子にも乗っていた
▼入院生活ではツラいことも多かったそう
▼ダンスの世界に戻れたものの、謎の不調に悩まされていた
▼『Imgur』の力を借りて、EDS だということが分かったローズさん。「やっと真実が分かった」と晴れ晴れとした表情