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ネットの世界を彷徨って(さまよって)いると、驚くべき割引価格で高級ブランド品が販売されているのを見かけることがある。あまりにも安い場合「なんか怪しいぞ」と大抵はスルーするのだが……ある日、筆者はどうしても放っておけない商品を見つけてしまった。

それは、世界的オーディオメーカー「Harman / Kardon(ハーマンカードン)」のBluetoothスピーカーである。調べてみるとあるちょっとした理由から、激安特価で大量に流通しているらしい。果たしてスピーカーの性能はいかがなものなのか? ヤフオクで落札して音質を測定してみたのでレポートしたい。

・Harman / Kardonとは

まず、「Harman / Kardon」を知らない方のために簡単に説明すると、今から半世紀以上前となる1953年に米ニューヨークで設立され、BMWやメルセデスなどの高級車用オーディオシステムのほか、スマホはPCなどのマルチメディア用オーディオでも高い評価を得ている世界的オーディオメーカーである。

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・格安で大量に流通

そんなHarman / Kardonの製品の中で、4万9800円で販売されていたことのあるBluetoothスピーカー「ONYX STUDIO(オニキス スタジオ)」が、2016年4月現在、1万円以下でネット上に大量流通していて話題だという。

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・ニセモノではなさそう

筆者もヤフオクやAmazonなどの商品ページで内容を入念に確認してみたが、どうやらニセモノではなさそうだ。では、なぜこんなに安いのか。調べてみると……これには携帯電話大手のソフトバンクモバイルが関係していた

・ソフトバンクが大量にプレゼント

ソフトバンクは2014年、まずは新料金プランの契約特典として同スピーカーのプレゼントを開始。その後、シャープのスマホ「AQUOS CRYSTAL」に、このスピーカーをセットとして同梱していたようだ。

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さらには2015年に、特定のスマホ購入者を対象として、同スピーカーを、な、なんと5万名にプレゼントしていたというのだ! 単純に言うと、2014年から2015年にかけて、ソフトバンクはHarman/KardonのBluetoothスピーカーをプレゼントしまくっていたのである

・新品を7780円で落札

では、そのスピーカーの性能はどれほどのものだろうか。筆者はその音質を検証するべく、ヤフオクで同スピーカーの新品を7780円で落札。ちなみに、Amazonや楽天などでも9000円前後で販売されていたぞ。

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・検証方法

検証方法は、Bluetoothスピーカーとして定評のある、「Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II」との比較を交えながら、筆者が実際に音を聴いてみた感想に加え、以前の検証と同様、音質をグラフ化してくれるiPhone用アプリ「Audio Frequency Analyzer」を使用していくことにした。

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ちなみに、グラフ化の手順だが、YouTubeにアップされている検査用の電子音をスピーカーで再生、それをiPhoneの内蔵マイクでキャッチし、アプリで自動的にグラフにするという簡易的なものだ。

・Boseを試聴

まずはじめにBoseのスピーカーを試聴してみよう。音楽を再生すると……やはり、レビューの評価が高いだけあって、高音から低音まで迫力のあるサウンドを感じることが出来た。

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・バランスの良いBose

次はグラフを確認だ。グラフの見方は、左が低音で右が高音、上に伸びるゲージがそのボリュームである。なお、グラフの40Hz(ヘルツ)から左側は床の振動などの環境ノイズなので無視していただきたい。

Boseのグラフを確認すると……聴こえたサウンドの通り、重低音から高音までバランス良く伸びている様子が見える。

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・Harman / Kardonを試聴

続いて、Harman / Kardonのスピーカーで同じ曲を再生してみると……ウォォォオオオーーー! こ、これは……マジでメッチャ音が、Eーーーーーー!!!

低音のパワー感、高音の伸び、音の解像度……どこを取ってもBoseを明らかに上回っているように聴こえる。通常であれば、こんなに良質な音のスピーカーを1万円以下で入手することは不可能だろう。

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・Boseを上回る音質

Harman / Kardonのグラフを見ると、自身の耳で感じたほどBoseとの差は無いものの、低音を表す帯域である50〜64Hz周辺、音の張りを表す帯域である500Hz周辺、高音の抜けの良さを表す帯域である8kHz以上がしっかり出ているのが見て取れる。特に高音に関しては驚異的な再生能力だ

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・大きなネックとなるのがサイズ

検証の結果、Harman / Kardonの音質は、Boseを上回っていることがわかった。しかし、このスピーカーの弱点がその大きなサイズだ。Boseのようにバッグにサッと入れて持ち運び出来るサイズでは無いので、あくまでも据え置き型のスピーカーとして考えたほうがいいだろう。

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Harman / Kardon ONYX STUDIOは、サイズのコンパクトさより、とにかく音質にこだわったBluetoothスピーカーが欲しいという方に最適な逸品といえる。気になる方は、価格の安い今のうちに購入することをオススメしたい。

Report:K.ナガハシ
Photo:Rocketnews24.

▼ソフトバンクが大量にプレゼントしていたスピーカーを……。
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▼ヤフオクで落札。
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▼こちらが落札した「Harman / Kardon ONYX STUDIO」
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▼iPhone6と比較するとこんな感じ。
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▼カバーを外すことも可能だ。
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▼背面にも低音を鳴らすためのパッシブラジエータを装備。
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▼「Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II」と音質を比較。
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▼まずは「Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II」から。
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▼Boseの測定結果がこちら。
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▼次は「Harman / Kardon ONYX STUDIO」
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▼Harman / Kardonは低音から高音までしっかり出ている。
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▼欧州で権威のある「EISA AWARD」も受賞していた。
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