ドゴォォォオオオン!!!! 耳をつんざく爆音、背中を叩く爆風と破片。背後でナパームが爆発したのだ。アニメやマンガでは見慣れたこの光景が、まさか自分の人生において起きることになるなんて、つい3カ月前までは思ってもみなかった──
・男のロマン
2016年3月19、20日に開催されたコスプレイベント「IKUSA 春の陣」。栃木県の採石場跡地である岩舟山クリフステージで行われたこのイベントの目玉は、ナパームを使ったガチの爆破撮影だ。
爆発と言えば男子にとって永遠の夢。少年マンガやアニメは、バトル主体でなくても結構爆発する。爆発さえしとけば男はご機嫌! ああ、男のロマンBA・KU・HA・TSU!! というわけで、ロマンが少しばかり勝ちすぎている男たちと栃木に向かった。私(中澤)の所属バンド・フリサトの面々である。
・健康福祉センターに響く都はるみ
岩舟山クリフステージは音楽フェスもよく開催されているため、場所の名前は聞いたことがある。まさか、音楽フェスより先に爆破撮影で訪れることになろうとは思ってもみなかったが……。クリフステージに近づけば近づくほど、風景は田んぼ一色に染まり、道はどんどん狭くなっていく。しまいには、田んぼのあぜ道を指示するナビ。
ガタゴトあぜ道を進んでいくと、奥に目的地の健康福祉センター「遊楽々館」が見えてきた。ここで受付を行い、送迎車でクリフステージへ向かう。遊楽々館は地元のおじいちゃん、おばあちゃんの社交場となっているようだ。真っ青に突き抜ける空に響きわたる都はるみ『好きになった人』のカラオケサウンド……。バンド活動とは何なのか?
・意識の高いレイヤーたちが集合
とにかく受付を済ませ、送迎ワゴンでクリフステージへ。なお参加費は、コスプレイヤー1人につき5000円、カメラマン1人につき2500円で、ナパーム1発ごとに1人1500円ずつプラスである。クリフステージに着くと、爆破撮影の始まる前から採石場跡地という地の理を生かして、レイヤーたちがすでに撮影を始めていた。
その気持ちもわかるほどに、眼前の岩山は雄大で、真っ青な空とのコントラストはファンタジーの世界を彷彿とさせる。レイヤーたちのファッションとも相まって、なんだか物語の中にいるみたい。
・アニメやマンガではないガチの爆発
ナパーム爆破は広場の中央で行われ、それを囲むようにレイヤーたちが撮影する。この日(19日)の参加数は30組ほどだった。全組が1発分の代金を払い終えると、練習がありいよいよ本番。カウントが始まると押し黙るレイヤーたち。緊張の一瞬だ。5、4、3、2、1……
ドゴォォォオオオン!!!! あ……温かい!! パチパチ腕に当たる破片、当たりに響き渡る轟音、そして背中に感じるBA・KU・FU!! そのすべてが「ガチで爆発したよ」と物語っていた。アニメでは見慣れた光景だけど……リアルでのナパーム爆破ヤヴェェェェエエエエ!
あまりの “爆発感” に思わず笑みを浮かべてしまう私。それはこの場に集まった者たちとて例外ではないようで、爆発の後、波紋が広がるようにそこかしこで歓声や笑い声が上がる。マジで爆発したよ! スゲー!! ずっと憧れていた画面の向こう側に一歩踏み込めた瞬間だった。
もし近くで爆発が起こっても、本気を出したらなんとなく避けられる気になっていたけど、絶対無理。これは死ぬわ。そんな爆破撮影の迫力については動画をご確認いただければ幸いである。なお、主催者のコスナビの発表によると、次は5月17日に廃墟で爆破撮影を行うようなので、気になる方はチェックしてみてくれよな!
参照元:コスナビ
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼男のロマンBA・KU・HA・TSU!
▼ロマンがありあまる男たち・フリサトが挑戦
▼まるで物語の中にいるような岩と雲
▼空が近い
▼説明はしっかり聞こう!
▼インディージョーンズのコスプレをしたスタッフが電気点火するナパーム
▼いよいよや……
▼まさか人生において背後で爆発が起こることがあろうとは
▼リアルでのナパーム爆破ヤヴェェェェエエエエ! 絶対避けられへん!!
▼フリサト『春が来た』