greenland

グリーンランドは北極圏に属する世界最大の島。デンマークに所属する自治領で人口は5万6000人ほど。その大半が先住民のイヌイットだ。そんな極北に位置するグリーンランドにも、メタルバンドはいた。その名もずばり「Arctic Spirits」。日本語にすると「北極魂」だ。そんな北限メタルの活動は、気候に負けないくらい厳しいものだったようだ。

・人口845人の街

グリーンランドの首都「ヌーク」からさらに500キロほど北、わずか人口845人の街「ケケルタルスアク」。この街出身でギター・ボーカルのJuuna A. Zethsenを中心に、2003年に結成されたのがArctic Spiritsだ。なおバンドのドラマーはJuunaの実の弟のようだ。

2009年に『Pissutsit』というデビュー・アルバムをリリースしたものの、反響が得られなかった。Juunaは大工見習いとして働きながらバンド活動を続け、2012年に『Iluliarsuit akornanni』という「氷山の上で」を意味するアルバムをリリースした。

好きなバンドにIron Maiden, Metallica, Panteraなどを挙げている辺りはごく普通のメタルファンと変わらない。唯一オンラインで聴けるビデオクリップ『Assiliarsuaq』を実際聴いてみても、正直なところコピーバンドレベルの印象だ。

・馴染みのない言葉

バンド唯一の特徴は、まったく日本人にとっては馴染みのないグリーンランド語のボーカルだ。エスキモー・アレウト語族のひとつで、曲を聴いていても似ている言葉が全く思い当たらない。

またメンバーの苗字はデンマーク風だが、見た目はモンゴロイド、つまり東洋人風。アロハシャツのようなものを着ているためか、ハワイアンバンドに見えなくもない。

・Facebookで解散理由を告白

グリーンランド出身という事以外、パッとしないArctic Spiritsだが、2014年の1月にFacebook上で「グリーンランドは人口が少な過ぎるのでやる気が無くなった」という捨て台詞を残して解散してしまったようだ。さすがに人口845人の街では、バンド活動を維持するのが難しかったようである。

参照元:YouTube
執筆:ハマザキカク