Beckyhurin2

世間の注目を集めるベッキーさんの不倫騒動。2016年1月7日発売の週刊文春がスクープを報じた後も、騒ぎが収まらず、同誌は第ニ報を伝えた。お相手川谷絵音さんの妻による独白である。

かなり赤裸々に川谷夫妻の状況を語っているのだが、もし仮に離婚裁判になった場合、独白した妻は有利になるのか? それとも不利になるのか? また同誌によると、絵音さんは離婚届を催促しているというのだが、拒み続けるとどうなってしまうのか?

・家庭内トラブルに詳しい弁護士

今回質問したのは、アディーレ法律事務所である。家庭内のトラブルに詳しい弁護士に、以下の2つの内容を質問し回答してもらった。

問1.離婚届の催促を拒み続けると、どうなりますか?

「(川谷さんの)奥さんが離婚届の催促に対し、これを拒み続ければ、離婚届が提出できないことになりますので、協議離婚はできません。

この場合、川谷さんがどうしても離婚したいという場合は、裁判所の手続き(まずは離婚調停)を踏んで、なんとか離婚する方向で進めることとなります。ただ、離婚調停でも奥さんが離婚しないと言い続けた時は、離婚調停自体も不成立となり、その後に離婚裁判という流れにならざるを得ません

離婚裁判で川谷さんが有利かといえば全くの逆で、自身が不倫をしていながら離婚したいという主張は、「有責配偶者からの離婚請求」(離婚の原因を作った責任がある側からの離婚の請求)ということで、裁判所は原則このような請求を認めません。今回のケースも、「奥さん側にも不倫があった」、「奥さん側にも著しく悪質な言動があった」などの特別な事情がない限り、川谷さんの離婚請求が認められることはないでしょう。

従って、裁判までいっても奥さんが離婚を拒み続けた場合は、その後に相当長期間の間は、離婚はできないということになります。さらにその後、別居が相当長期間続いた後であれば、川谷さんの離婚請求が認められる時期が来る可能性はあります」

Beckyhurin1

問2.もし離婚裁判になった場合に、川谷さんの奥さんが週刊誌に状況を告白したことは、裁判上不利に働きますか?

「マスコミに話した内容の詳細は不明ですが、仮に奥さんがマスコミに話した内容や、その社会的影響によっては、奥さんの『状況告白』という行為が、裁判上不利な事情となる可能性はあります。

離婚裁判では、『婚姻を継続することが困難な重大な事由』があるか否か、要は、『夫婦関係が破綻しており回復が困難か否か』という点が判断されることになります。やはり、芸能関係で活躍する夫という特殊性に鑑みると、夫の芸能生活にマイナスの影響を与えるような行為は極力避けるべきというのが奥さんのあるべき姿です。

本来、夫婦は、円満な夫婦生活維持のために、互いに協力し合うべきとされていますので、逆に夫が仕事上不利になる行動や、夫婦間の信頼関係を損なうような行動に出たということであれば、この行為も『夫婦関係を悪化させた』一事情と判断される可能性があるということになります。このように、相手を社会的に不利にさせる、困らせる行為をあえてすることは、夫婦間に愛情がないと判断される方向に働く事由です。

Beckyhurin3

『ショックです』と話した程度であれば、さほど大きく影響はないと思われますが、敢えて夫婦に関する事実を話すことにより、川谷さんの仕事での立場が相当悪くなったり、夫婦の信頼関係が崩れる側面があるのであれば、裁判上不利に働く可能性は皆無ではありません。

ただし、「婚姻を継続することが困難な重大な事由」があるか否かは、当事者双方の背信性の大小をいわば比較して判断されることとなります。なので、川谷さんの行った行為の悪質性に鑑みれば、奥さんが仮にこのような行為をしたとしても、基本的には川谷さんの背信性の方がよほど大きく、有責配偶者からの離婚請求ということで離婚は認められない、川谷さん側が負ける公算が高いでしょう

その場合、裁判所が、『妻側の行動が夫婦の信頼関係に亀裂を生じさせた側面がないとは言い難いけれども……、夫の所業に鑑みれば……、婚姻を継続しがたい重大な事由があるとは認められない』という判断をすることになります。結論として、やはり、川谷さんの離婚請求は認められないということになります

以上である。川谷さんは離婚届を妻に催促しているようだが、妻が拒み続けた場合は離婚そのものが難しくなるかもしれない。記事では、「卒論」と呼ばれている離婚届を出すまで、ベッキーさんと川谷さんは会わなくても大丈夫というのだが……。届けが提出されない以上は、会うことも難しいのでは……。この不倫騒動はかなり泥沼化しそうな雰囲気である。

参照元:週刊文春WEB
取材協力:アディーレ法律事務所
執筆:佐藤英典
イラスト:マミヤ狂四郎