人生最初のスタイリスト、それがオカン(母親)である。男性であれば、おそらく誰もが思春期のころ、母に対し「もう白ブリーフは買ってこないで……」と注文をつけたことがあると思う。スタイリスト「オカン」からの脱却は、大人への第一歩なのだ。
だがしかし。あえて。あえて……私が大人(36才)になった今。カーチャンもバーチャン(62才)の年齢になった今。初心忘れるべからずということで、我が人生初のスタイリストである母親に、もう一度コーディネートをしてもらったのでご報告しておきたい。
・スタイリストはGO羽鳥の母(62)
まずは今回のスタイリストを紹介しよう。私(GO羽鳥)の母親、「満莉林(マリリン)」である。かつて……というか半世紀前、まさしく “天才” と言うしかない漫画を10才そこらで描いたことでも有名な彼女だが、実はファッション意識も極めて高い。
その証拠に、今から27年前に発売された雑誌『主婦と生活(1989年8月号)』には、息子たちが知らぬまま、謎のファッションリーダーとしても登場していた。そんな彼女も今は62才だが、いまだエキセントリックな芸風は健在で、日々、満莉林イラスト&満莉林ギャグに磨きをかけているらしい。スタイリストとしては異存なしだ。
・しまむら1万円ルール
それはさておき、今回のお店は「ファッションセンターしまむら」としてみた。安く様々な洋服が買えるからだ。コーディネート金額の上限は1万円。つまりはロケットニュース24でも好評シリーズ化している「1万円コーディネート」のオカン版である。
・まさかの第1手
2016年1月11日、成人式の日に「しまむら」へ集合した私と母と、カメラマン役を引き受けてくれた私の姉。ドキドキしながら最初のチョイスに注目していた我々姉弟だったが……いきなり母が手にとったのは “上下のジャージ(FILA)” だった!! さらに、
満莉林「はい、これで終わり」
と、コーディネートもクソもない、単なる部屋着を選んでハイ終了宣言をカマしたのである! これには私も姉も「ちょっとまてまてまて!」と容赦無いツッコミを入れつつ、あらためて趣旨を説明。「ああ、そういうことね」と母。たのむぞ、満莉林!
・無難にまとめるコーディネート
その後の満莉林は即断即決。まず選んだのは茶色の革ジャン(4900円)。続いては、オシャレな2つ穴のベルトが付いているGパン(2300円)をチョイスし、インナーには黒のセーター(1900円)をチョイス。無難にまとめるコーディネートだ。
ここまでの金額は9100円。あと900円残っているのだが、とりあえず試着してみようということになり、様子を見てみたところ……!!
ヘソ出し! まさかのヘソ出し!! さすがはアウトサイダーアートの巨匠にしてシュールリアリズムの化身・満莉林先生なだけはある! しかしながら、このままでは風邪をひいてしまう!!
──ということで、780円の下着的な半袖の黒シャツを追加してチョイス完了。重ね着的なファッションテクも演出できるうえ、もしもヘソ部が見える体勢になったとしても、同色なので目立たない……という両面(りゃんめん)狙いのコーディネートだ。
ちなみに選んだ洋服の合計金額は……しめて9880円! 残ったお金は120円のみ! なんという買い物上手。さすがは主婦歴40年近くになる超ベテランの満莉林だ!!
しかも、洋服を持ち帰ってからシャツも含めて着てみると……ヘソ出し部分も問題なし! かっこいい2穴ベルトもバッチリ見える、ジャストすぎるセーター丈だったのである。サイズがピチピチすぎるところも、おそらく狙い(ねらい)だ。“ほどよい気持ち悪さ” を演出することが、気色悪い私の魅力を引き出すと読んだのであろう。
圧巻なのは、最初に選んだ茶色の革ジャン。袖を通すと、なぜか一気に “しまむら感” が出た感じになった。だが、そこがいい。間違いなく自分では選ばないであろう洋服を「ハイこれ」とチョイスしてくることこそオカンコーデの真骨頂なのである。もしもファッションに困ったら、オカンと一緒に外に出よう。意外な発見があるはずだから。
参考リンク:ファッションセンターしまむら
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼今回、満莉林が選んだのはこちらの4点
▼最終的にはこうなった。満莉林は「前を閉めて着ろ」と言っていた。
▼前を開けると、なかなか
▼これが満莉林コーデ2016しまむらverだ!
▼そこはかとなく漂う、しまむらの背中
▼よくよく考えると、春夏にも対応している! さすが満莉林!!
▼なぜかカメラマンの姉を激写する満莉林
▼これが満莉林だ!