突然だが、皆さんは「羊羹(ようかん)パン」をご存じだろうか? 読んで字のごとく「羊羹とパンを組み合わせた食べ物」である。
食べる前、「羊羹とパンだなんて、アンパンみたいなもんでしょ?」……と思っていた私を全力で殴りたい。違った! 似て非なるモノだった!! しかも、かなりウマい。パンでいながら和菓子らしさたっぷりの魔性の菓子パンなのである。
・高知県の羊羹パンを食べてみた
今回、手に入れた「羊羹パン」とは、高知県の老舗パン屋さん菱田ベーカリーの羊羹パン(円)だ。丸いパンの表面は、ツヤツヤした茶色っぽい何かでコーティングされている。
チョコレートかな、と思ったら、この茶色っぽいツヤツヤこそ羊羹であった。
・外は羊羹! 中もアンコがたっぷり
食べる前に、パカっと中を割ってみる。すると、中にも羊羹のようなものが!……かと思ったら、こしあんだ。あまりにもギュッとつまっていたので、羊羹が入っていると勘違いしてしまったが、高知の羊羹パンとは “アンパンの上に羊羹が塗られたもの” だったのである。
アンパンみたいなものなら、怖くない。パクっと食べてみると……あ、美味しい。……けど、アンパンとは違う! 似ているけど、違う!! 何なのこれ!?
・アンコ×羊羹=禁断のマリアージュ
過剰に甘いのかと思いきや、表面の羊羹自体はアッサリとしていて、その控えめな味が全体を引き締めてくれている。ツヤツヤの羊羹、しっとり系のパン、そして丁寧にこされたこしあん……3つの素材は喧嘩することなく、口のなかで滑らかに混ざり合う。うーん、なんとも上品な食感だ!
羊羹が塗ってあるからには普通のアンパンよりカロリーが高いはず……でもウマイッス! 止まらないッス!! 羊羹とパンとは、なんという魔性の組み合わせなのか……!
・北海道の “ようかんパン” とはどう違うの? 北海道民に聞いてみた
さて、そんな高知の羊羹パン羊羹×パンと言えば、高知のほかに北海道にも「ようかんパン」が存在している。もしかして同じもの? 北海道のナガハシ記者に聞いてみた。
ナガハシ記者が言う北海道の “ようかんパン” の商品名は『サンスネーク』。サンスネークは長いコッペパンに甘さ控えめのバタークリームが挟んであるという。その上にアンがかかっているそうだ。
かたや、「アンパンの上に羊羹」、かたや「バタークリームパン」の上に羊羹……って名前は似てるけど、もはや別モンじゃないか!
・北海道民も納得のウマさ
そんなサンスネークっ子なナガハシ記者に羊羹パンを食べてもらったところ……
「(高知の羊羹パンは)パンの部分と中のアンコの食感のバランスが良かったです。さっくりしていながらも中のアンコの部分がしっとりしていて、軽すぎず重すぎず、食べやすい。味がやや濃厚な印象で、和菓子に近くてお茶によく合う感じがしました」
反対にサンスネークは牛乳に合うのだそうだ。なるほど、なるほど! 洋菓子風が北海道verで、和菓子風が高知verというわけかぁ。日本人に馴染みがありつつ、ちょっと新しい「羊羹パン」。県外でも、スーパーや物産館などで買えるので見つけたら試してみてくれよな!
参考リンク:菱田ベーカリー
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼こちらが「羊羹パン」。銀座の物産館「まるごと高知」では178円で売られていた
▼羊羹×アンコ……禁断のウマさだ!