グローバル化が進み、日本のいろんな職場で外国人労働者が増える昨今。「自分の職場にも外国人がいるよ」という方も少なからずいるのではないだろうか。
外国ならではの仕事に対する考え、ひいては家族に対する考えなど彼らと同じ職場で働くことで学べることは多い。それでは逆に彼らは、日本で働くことについてどう思っているのだろうか?
外国人が日本の職場の何に感銘を受け、何に不満を抱いているのかを知るため、日本で働いているまたは働いたことのある外国人計7名に「日本の職場のいいところ・悪いところ」を聞いてみた。以下がその結果である。
【No.1】20代ドイツ女性
やっていた仕事:スキーリゾートにあるレストランのホール
働いていた期間:4カ月
悪いところ:やらなければならない仕事の量に対して多すぎるぐらいの従業員がいて、びっくりしました。そしてそのほとんどの人が忙しいフリをしていました。また日本人はなんでもラップするのが好きで、プラスチックの容器の中にラップを敷いて、そこに食品を置き、蓋をしているのを見た時は正直目を疑いました。
良いところ:私の同僚と上司は本当にフレンドリーで、私の日本語が全然ダメにもかかわらず、いろんなことを説明しようと頑張ってくれました。彼らのおかげで、私は彼らのチームの一員であることを強く感じていました。
【No.2】30代アメリカ男性
やっていた仕事:アニメ会社のプロデューサーとコンサルタント
働いていた期間:3年
悪いところ:私が働いた日本の会社では部署間での異動が多く、自分が得意とする仕事をずっとやり続けるということは不可能でした。仕事に慣れたころに新しい部署に飛ばされるという感じです。
また労働時間も長く、ほとんど毎日朝9時から夜8時まで働いていました。つまり1週間のうち5日間は、1日11時間働いていたということです。そしてさらにそのほとんどの時間が、忙しいフリをすることに費やしていたのですから、本当にフラストレーションが溜まりました。
会議も異常なくらいたくさんある上に、永遠と思えるぐらい終わるまで長かったです。
良いところ:日本の職場は新しく加わる仲間をとても温かく迎えてくれます。小さな歓迎会があり、その中でいろいろと声をかけてくれて、彼らのチームの一員になった気持ちになれます。
上で述べた部署間での異動にはいい面もあり、嫌いな仕事をずっとしなければいけないことはなく、どの仕事が自分に向いているのかを知ることができます。それから祝日が多かったのもよかったですね。
【No.3】50代アメリカ女性
やっていた仕事:常勤の大学講師
働いていた期間:4年
悪いところ:毎年昇給があると約束されていたにもかかわらず、一度も昇給はなく、他の日本人講師ほど給料はもらえませんでした。また何の手当も一度ももらえませんでした。毎朝、他の人たちが来る前の朝7時に出勤し仕事をしていたのですが、それは評価されず、定時より遅く働いた時のみ評価されたのを覚えています。
後になって気づいたのですが、昇給されなかった理由は、どうやら私に3年か4年で辞めてほしかったからみたいです。そうすることで、新人レベルの給料でまた他の人を雇えるからです。次に雇われた講師は3年経った時に法廷で争い勝利し、最後には終身在職権を得たようです。
良いところ:職場のなかで唯一私だけが外国人で、夏休みに本国に長期的に帰るなど普通の日本人にはないような特権が私にはありました。また働いていた英文学科の人たちは私に日本語だけを使ってくれて、私の日本語上達をすごくサポートしてくれました。
【No.4】20代アメリカ女性
やっていた仕事:英会話学校の秘書と講師
働いていた期間:5年
悪いところ:私が働いていた企業はブラック企業でした。例えば、新人は研修期間中に給料が払われていませんでした。また日本人の秘書は祝日の他に、年に10日間有給休暇をもらっていたのですが、外国人講師は有給休暇をもらえていませんでした。秘書と講師の両方の仕事をやっていたにもかかわらず、外国人という理由で、私も有給休暇はもらえませんでした。
それから育児休暇は5日間しかなく、産後の一週間の入院ももちろんカバーできませんでした。産科医に診てもらうために休みをとるなんてもってのほか。外国人スタッフは他の日本人スタッフと同様に働いていたのに、上司は年金や健康保険のためのお金を一切出してくれませんでした。
従業員たちは労働局に3回ほどこの状況を知らせたのですが、労働局は介入してくれませんでした。結果的に密告した従業員たちは見つかり、無理やり辞めさせられたり、違法的な方法で解雇されたりしていました。
また1週間に1度行われる会議には必ず出席する必要があったのですが、ほとんどの場合終着点が見つからず、終わるまでものすごく時間がかかります。
良いところ:他の秘書や講師よりいい給料をもらい、時によっては彼らよりサービス残業時間が短かったです。また上限に達するまで、毎年きちんとした昇給がありました。祝日の休みが結構あったのもよかったですね。私自身、同僚や仕事が好きで、働いていた時に貴重な技術をたくさん学んだ気がします。それから上司と同僚は新人を温かく迎え、研修のサポートをしっかりやっていましたね。
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Report:田代大一朗
photo:RocketNews24.