ウマいそば屋を求めていろんな街を放浪する「立ちそば放浪記」。以前、最強の邪道そば屋『南天』をお伝えしたが、今回ご紹介する店の肉そばもまた『南天』に勝るとも劣らない。
訪れたのは、東京都世田谷区の千歳烏山。駅前商店街に立ち並ぶ店は、地域に密着してそうな昔ながらの佇まいが多い。賑わっているがどことなくのどかな空気も漂っており、とても住みやすそうなバランスの街である。そんな街を昭和60年から見守っているのが『深大寺門前そば』だ。
・店が醸し出すカツオ節のような “味”
こじんまりしているが歴史を感じる佇まいは、この街ののどかさと合わさって古き良き “味” を出している。そう……まるでカツオ節のように。店に入ると先客はおじいちゃん1人だった。それもまた風情がある。
・ちょうど良い混み具合
頼んだのは肉そば。空気感にほだされてまったり待っていると、昼時だからか次々と客がのれんをくぐってくる。しかし、混みすぎずちょうど良い入り具合だ。客層もほとんど近所の住民っぽい。みんなリラックスしており、なんだかこの街の一員になった気さえしてくる。そうこうしているうちにそばがカウンターに置かれた。
・醤油ラーメンのような肉そば
カイワレ、ネギ、揚げ玉少々、そしてチャーシューのような大判の豚肉。カイワレとネギの緑が映える具は、見た目にも美しい。見かけのバランスは醤油ラーメンのようだ。これは一口目チャーシューいくだろ!
・味のまとまりが半端ない
チャーシューは柔らかく、甘辛いつゆの味がついていてマジウマい!! その味に誘われつゆをすすると、これまた甘さと辛さと深みを兼ね備えた味が口の中いっぱいに広がる。
ここで、やっとそばにたどり着いたわけだが、そばの茹で具合とつゆの染み具合がまた最高。そして、最後に爽やかさをプラスするカイワレにトドメを刺される。この発想はなかったわ……!
・そばがウマすぎて記憶をなくす
あまりのウマさに若干記憶が飛んだ私は、代金を前払いした気になっていた。店を出ようとしたところを女将に呼び止められる。うっかり食い逃げをしてしまうところだった……。マジですみません。そばがウマすぎたんです。
とにかく、店の雰囲気も街もまったりしていて心が洗われるようだった。そば好きならちょっとしたショートトリップとして訪れるのもありだ。ただし、食券制ではないのでうっかり食い逃げをしてしまわないように注意しよう!
・今回訪問した店舗の情報
店名 深大寺門前そば
住所 東京都世田谷区南烏山6-4-32
営業時間 7:00~21:00
定休日 不定休
Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼肉そば420円
▼肉そばを頼むと口頭で揚げ玉の要不要を確認してくれる
▼千歳烏山駅北口を出て前の通りを左に進む
▼docomoショップを右に曲がってすぐ左手だ!