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天高く馬肥ゆる秋。夕日でオレンジに染まる雲はまるでカツオ節のようだ。ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ちそば放浪記」。今回訪れたのは田端。夕暮れ時の田端は、道行く人といい街並みといい、とても穏やかな雰囲気だ。

特に北口を出てすぐの陸橋は、空が広く心地いい風が吹いているベストスポット。なんだかそこだけ時間がゆっくり流れているかのように感じるほどまったりしている。その橋のふもとが今回の目的地。田端の空気感を象徴したようなそば屋『かしやま』だ。

・ナイスリクエスト

ここを訪れたのは、またもや編集部に届いたリクエストが発端である。その内容は以下の通り。

お名前: N.Mさん
「『立ちそば放浪記』の中澤記者に取り上げていただきたいお店があります。田端駅徒歩2分の所にある『かしやま』です。妙な立地、狭い店、腰の曲がったおばあちゃん、腰の曲がりかけたおじいちゃん、感じの良い店員さん、最高です。マイベスト立喰そばです。

麺。そば・うどんともに店2階で自家製だそうです。行き過ぎないクオリティのなんとも立喰そば然としたものです。つゆ。ダシの香りが強く、醤油がキリッと効いており、いかにも関東風。てんぷら。美味しいです。かき揚げが一番好きです。揚げている様子が既に美味しそうです。是非ともお願いします。」

リクエストありがとう。私(中澤)より真剣に味をレポートしてくれているナイスリクエストだ。今回はこの記事の本文よりN.Mさんのリクエストを参考にしていただければ……というのは冗談で、実際に行ってきたので私の話も聞いてくれ。

・オシャレな外観とギャップのある内装

この店は、駅から陸橋を渡った先の一角にある。レンガで造られた外観のオシャレさにビビったが、店内に足を踏み入れてみると、6人入れば一杯くらいの広さでオッサンたちがそばをすすっていた。うんうん、立ちそばとはこうでなくてはならぬ
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・天ぷらが綺麗

リクエストを参考に「天ぷらそば」を注文。確かに店員のお兄ちゃんはハキハキしていて感じが良い。この爽やかさはどこから来るのだろうか? 私にも少し分けてもらいたいくらいである。……と思うが早いか、てんぷらそばが目の前に置かれた。若いのに早いな兄ちゃん。
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かき揚げの彩りが見入ってしまうくらい綺麗だ。色鮮やかな真っ赤なエビと緑のネギがお互いを引き立てあっている。かじってみると、エビとネギ以外にイカも入っていることに気付く。綺麗なだけではなくウマい。醤油強めのつゆを吸ってフワッフワや! イカの固さが良い感じで歯ごたえにアクセントを与えていて、ムシャムシャいっちゃうアル。
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・街の雰囲気を象徴するそば屋

そばをすすってみると、かき揚げの脂っこさに占拠された口の中に爽やかな風が吹く。う~んマンダム。ゆるすぎず固すぎずちょうどいい。田端の街の空気感を象徴しているような味である。

何より良かったのは、店・そば・客・店員が作り出している空気感。絶妙にまったりしていて穏やかで、編集部に戻るのが嫌になった。仕事で殺伐とした時は、田端の陸橋に行ってついでにこのそばをすすると良い。ただし、仕事をするのが嫌になってしまうかもしれないので注意が必要だぞ!

・今回訪問した店舗の情報

店名 かしやま
住所 東京都北区東田端1-17-20
営業時間 平日6:00~20:00、土6:00~15:00
定休日 日曜日、祝日

Report:立ちそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼北口を出て陸橋歩道を右折
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▼時計台と広い空にまったりしながらまっすぐ進む
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▼渡り切ってすぐの歩道右側の階段を降りる
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▼階段を降り切って右に曲がれば店は目の前だ!
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