草食系男子という言葉が聞かれるようになってから久しい。最近の男子は恋愛に消極的であり、攻めの姿勢が見えないことから、草食動物になぞらえてこのように言われるようになったようだ。第2次ベビーブーム真っ盛りに生まれた私(佐藤)は、努力と根性で何とかなると信じてこの40年間を生きてきた。
したがって、いつも根拠のない自信があり、何事においても消極的ではないと自負している。そんな私から見ると、草食系という感覚が良くわからない。そこで20代女性に草食系男子について意見を求めたところ、かなり意外な回答が返ってきた。私はてっきり草食系男子こそモテるものだと思っていたのだが……。
・女子力高めの25歳
私が意見を求めたのは、25歳独身女性彼氏なしである。彼女を仮に「M・デラックスさん」と呼ぶことにしよう。デラックスさんは2~3カ月に1度合コンに参加する女子力高めの女の子だ。
・草食系男子に失望?
彼女はつい最近まで自分の好みを、草食系男子と信じてやまなかった。ところが、その考えを打ち砕かれるような経験をしたそうだ。すでに草食系男子に失望しているというのである。以下は彼女への質問とその回答だ。
問1:「草食系男子は、やはり物足りないと感じますか?」
デラックス:「はい。あまりはっきりとは言いたくありませんが、草食系男子にはとっとと絶滅していただきたいと思っています」
問2:「具体的にどんな場面で?」
デラックス:「どんな場面で? 愚問ですね。日常生活すべての場面においてです。そんな質問をするあなたこそ、ひょっとして草食系男子ではありませんか……?」
問3:「草食系男子と接していて、一番つらかったことは?」
デラックス:「お互いの予定が噛み合わず、なかなか会う日程が決まらないことがあったんです。その一件で相手のテンションは一気にダウン。日程調整さえ面倒になってしまったようです。草食系男子のスタミナの無さを痛感しましたね。もはや、彼らの体力が心配です。25メートルプールを泳ぎ切る体力くらいはあると良いのですが……。お気の毒です」
問4:「たとえ草食系といえども、時には大胆に行動して欲しいと思いますか?」
デラックス:「草食系の代表である、キリンの生態についてご存知でしょうか? 温厚で平和そうに見えるキリンですが、実はライオンよりも強い、という説があります。たったの一蹴りでライオンさえ殺してしまうこともあるそうですよ」
「草食系男子も、キリンを見習うべきです。そもそも彼らは『草食系』という言葉に甘えているのではないでしょうか? いっそ『草食系』ではなく『意気地なし系』と公言した方が潔くてカッコいいと思いますよ」
問5:「遊び相手なら草食系はOK?」
デラックス:「草食系男子のために女子が肉食系にならないといけないのが疲れるので、遠慮させていただきます」
問6:「真剣に交際するなら肉食系の方がいい?」
デラックス:「もちろんです。肉食系バッチ来~い!!」
問7:「合コンに草食系男子がいると、テンションが下がりますか?」
デラックス:「そもそも今日は何のために来たのか、どの面を下げてきたのかと。合コンにもかかわらず、ただ女子っぽい男子が加わっただけの女子会みたいになる意味がわからない。合コンの意味わかってますか?」
なぜこれほどまでにデラックスさんが、厳しい意見を持っているのかは不明だ。わざわざキリンのたとえ話を持ち出して、「ライオンを蹴り殺す話」をするあたり、尋常ではないものを感じる。もしかしたら、女のプライドを傷つけられた過去があるのかもしれない。これ以上深く尋ねるのはやめておこう……。
ちなみにデラックスさん、普段はおしとやかな雰囲気で育ちの良さを感じさせるものがあるのだが、草食系男子の話になると別人のようであった……。やはり恋愛には多少なりとも積極的な一面があった方が良いのではないだろうか。
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24