例えば携帯でメッセージを送信すると、携帯からアンテナに電波が送られる。そんな目に見えない電波の往来が可視化できるとしたら……。もしそれが可能ならば、ふと空を見上げて人工衛星から雨のように降り注ぐ電波を観測することもできるかもしれない。

そんな夢のような技術を可能にしたとされるアプリ、『Architecutre of Radio(以下:AOR)』が2015年12月に発売予定だ。今回、AORの使用画面を確認できる動画が公開されたぞ!

・iPadの画面には情報の波線

「the architecture of radio(訳:電波の構造)」と題された動画では、男性がAORを起動し、iPadで動画を撮るようにゆっくりと回転する。

すると男性のiPad画面には、目で見える光景とは全く違った映像が写る。洞窟の壁のようにあたりに張り巡らされた情報網、左右から飛び交う電波の波動、そして電波が通りすぎると聞こえる不思議な音。もはやSFの世界だ。

・アプリの説明

AORの開発者であるリチャード・ヴィゲン氏のウェブサイトによると、AORは電波塔やWi-Fiルーター、人工衛星などの情報機器……などから発信される電波を可視化することが出来るそうだ。また動画中の展示スペースのように、あらかじめ決められた場所では、建物に埋め込まれたインターネット回線も可視化することができるらしい。

ヴィゲン氏は今回のプロジェクトを次のように説明している。「情報空間は複雑に絡み合った無線や有線の信号からなるネットワークに支えられていて、私たちは目に見えないケーブルや電波、アクセスポイントからの信号に囲まれている。AORは目に見えるものを隠し、目で見ることができない情報空間を可視化する」

・12月発売予定!

現在AORは、ドイツにある美術館カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センターで公開されている。12月にiOS用のアプリが、来年1月にアンドロイド用のアプリが発売予定だ。

現段階では、どれほどの精度なのか定かではないが、AORを使えば電波を発信しながら動く携帯や、マンションの各部屋に置かれているWi-Fiルーターが、チカチカと点滅するクリスマスツリーのように見えるかもしれない。

・Wi-Fiの可視化を予言していた漫画が10年前にあった

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ちなみにWi-Fi電波の可視化については、今から10年前の2005年の時点で、漫画家・マミヤ狂四郎氏が『おたく兄さん』という作品でバッチリと描いている完全なる予言だ。漫画の中では「見えません」と注意書きがされていたが、それが実際に見える時代になってしまうとは……!!

参照元:Architecture of Radio(英語)
執筆:ゴールド土方
イラスト: マミヤ狂四郎

▼Architecutre of Radioのプロモーション動画がこちら!

▼こちらがドイツの美術館で実際にArchitecutre of Radioが使われている様子だ

▼10年前に描かれたWi-Fi可視化マンガの1コマ。
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