男だったら誰しもが “最強の男” を目指したことがあると思う。そして、人類最強の男を決めるため、世界中のリングで人間同士の闘いが繰り広げられているが、もしもリングが地球だったとしたら……そこには数々の “獣(けもの)” がいるはずだ。
古くから日本には、獣の神こと「獣神サンダー・ライガー」なるファイターも存在するが、獣界(けものかい)のキングといえば “百獣の王” ことライオンである。ライオンこそ最強。そんなライオンをも倒す戦士こそが、真の人類最強なのでは……!? ということで、アフリカはケニアまで足を伸ばし、ライオンより強い男を探してきた!!
・武井壮ではなくマサイ族
ライオンより強い男と聞いて真っ先に思いつくのが、武井壮ではなく、ケニアの誇り「マサイ族」だ。彼らが主に住んでいるのは、砂埃舞う「アンボセリ」。すぐそこにはキリマンジャロがそびえ立つ、タンザニアとの国境あたりに位置する荒野である。
ちなみに、なぜ最強の男を探すことになったのかというと、ユニバーサル・ピクチャーズ史上NO.1を記録した大ヒット映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』のキャラクター「ミニオン」が最強の男を探していたからだ。
最強のボスを探しているというミニオンたちに当編集部の誰かが「群馬、いやグンマー帝国に最強のボスはいる」とテキトーに答えたところ、ミニオンがネットで真剣に検索を始めてしまった。「確かに」と頷いたところまでは編集部も確認していたのだが……
そして本当に群馬まで探しに行ってしまった……が、いなかった──
──という経緯もあり、ロケットニュース24編集長でもありつつマサイマスターでもある私(GO羽鳥)が、責任をもって史上最強のボスを探しに行くことになったのだ。
なお、ミニオンズは歴史上の最強のボスに代々仕えるキャラクターで、「今、仕えるボスがいなくて困っている」とのことである。ちなみに映画『ミニオンズ』も2015年7月31日に公開されるので、史上最強を目指す人は要チェックだ!
・2回目の訪問
さて、ケニアの首都ナイロビから、ラフすぎるオフロードを日本産の「トヨタ NOAH(ノア)」で走り続けること約5時間。2年前にも赴いたアンボセリのマサイ族集落に到着した。もう2回目のマサイ族とあって、私(筆者)も心に余裕がある。
「ジャンボ〜!(こんにちは)」と挨拶を交わしてから、開口一番「マサイ族最強の男を俺は探している!」とストレートに伝えると、マサイ族の案内役Luka(ルカ)氏は「……よし! 歓迎のダンスのあとに紹介しよう」と快諾してくれた。
約2年ぶりのマサイジャンプをハイテンションでこなしつつ、マサイ族の集落に向かう我々。その入り口あたりでルカ氏は、ゲートの入り口について説明してくれた。
「集落全体はトゲトゲの木などで囲んでいる。これはライオンなどの獣が集落に入ってこなくするためだ。そして、ゲートの入り口も移動式のトゲトゲでキチンと閉める。でないと夜中にライオンが侵入してきて大変なことになるんだ」
とのことで、やはり日々、常にライオンを意識しながら生活しているそうな。また、「ライオンが襲ってくるのは決まって夜だ。昼間は来ない。夜は交代制で見回りをする」みたいなことも言っていた。それを聞いたナイロビ在住のケニア人ドライバー・チャオス氏は、複雑な表情で「ベリー・デンジャラス……」と言葉を漏らす。
その後、マサイ族伝統の薬の説明もありつつ、その中には「マサイバイアグラ」なる興味津々な単語もあったのだが、さらに彼は「マサイ族は一夫多妻制なのだが、それを支えるのがコレだ!」と満面の笑顔で説明していたのだが、今回は割愛したい。
・最強のマサイ・ウォリアー
そんなこんなで、いよいよマサイ族最強の戦士を紹介してもらう時がやってきた。「He is Strongest Maasai Warrior(マサイ・ウォリアー)」と最強戦士を招き入れるルカ氏。どんな屈強な男が出てくるのかと思ったら……目の前に現れたのは、背は高いものの、とても穏やかで優しい顔をしたスタイル抜群のマサイ族ファイターだった。
ルカ氏は、こう説明する。
「これまで、この集落にいる男の中で、ライオンを倒した者は3人いる。倒したライオンの数は5頭だ。実は私も1頭倒している。そして、もう一人、1頭倒した者がいる。しかし、この彼は3頭も倒した実績がある。最強だ」
──最強か否かの判断基準が “ライオンの倒した数” だなんてマサイ族やっぱスゲー……と感心しつつ、実際に声に出して「ライオン3頭とかスゲエ!」とボディタッチをしながら狂喜乱舞していたところ、いきなりルカ氏の表情が曇りはじめ、
「おいGO! あのなぁ! ライオン1頭倒すだけでもマジのマジで大変なんだぞ! マジで! ライオン1頭だけでも、ほんとに死ぬ気で……そりゃ3頭はマジすごいけど、まさに最強なんだけど、1頭倒したってだけでも本当にスゴいことなんだぞっ!」
──と、実際にライオンに噛まれた傷跡を私に見せながら真剣な眼差しで説明してくれた。ルカ、ごめん……。ルカも強い。もちろんルカもスゴイ! でも、ライオン3頭の彼、すなわち「最強の男」を探すための旅だったんだ……。ともあれ、最強の男は見つかった。
・最強の男は群馬ではなくアフリカにいる
その後、「マサイ式ライオンの倒し方」なども教わってきたが、やり方については、またいずれ紹介したい。それよりも先に「最強の男は群馬ではなくアフリカにいる」ということを、ミニオンたちに教えてあげたいと思っている。いや、次回はマサイ最強の戦士にミニオンたちを会わせてみたい!
ちなみに、そんな “最強の男(ボス)を求め続ける” ミニオンたちのキャンペーンページ「ボスとりゲーム」では、自分のTwitterアカウントがどれだけ強いのか計測できる仕組みになっている。もしもマサイ族の彼がTwitterをやっていたとしたら、ぶっちぎりで史上最強のボスになっていたことだろう。私も、そこそこ強かったぞ!
参考リンク:ミニオンズ「ボスとりゲーム」
Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼動画もあるぞ!
▼マサイ族の集落に行く直前に出会った「自転車マサイ」
▼こちらも集落に行く前にで会ったマサイ族のおじさん
▼ずっとこんな道
▼色使いがオシャレすぎるマサイ族の女性たち
▼最後にみんなでパチリ
▼マサイの言葉で「オレセリ」は「さようなら」だ
▼世界初公開「ライオンの倒し方」予告編がこちら。乞うご期待!
▼ミニオンたちは過去に「ドラキュラ」にも仕えたことがあるそうだ。マサイ最強の戦士とドラキュラ、どちらが強いか聞いてみたい