日本とイギリスの違いってどんなところだろう? ”テレビで話される言語” や “家で靴を脱ぐか脱がないか” なんて気付きやすいものから ”布団を干すか干さないか” など、言われてみないと気付きにくいものまである。今回、イギリスのケンブリッジ大学で日本学科のに所属する3人の学生にインタビューする機会があった。
全く違った文化で育った彼らがどんなきっかけで日本に興味を持つようになったのか、また日本の大学に1年留学してみた彼らの目に日本はどう映ったのかなど、気になることを聞いてきた。いろいろと面白い気付きがあったので紹介してみたいと思う。
今回協力してくれたのは、サカリ君、エマさん、カースティンさんの3人だ。3人が所属する日本学科では、日本語や日本文学だけではなく、日本の歴史や文化、政治、社会など日本について様々な角度から学習する。
記者:それでは早速最初の質問です。どうして日本に興味を持つようになったのですか?
サカリ「僕の場合はビデオゲームかな。エイジオブエンパイアとかで、日本の侍が登場するんだけど、それで日本に興味をもって。15歳だったし、日本語が喋れるようになったらかっこいいなってなんとなく思って勉強することにしたんだ。日本に異国情緒的な魅力を感じたし。あと漢字の見た目とかがかっこよく思えたね」
記者:それでその流れで大学でも日本語を勉強しようと?
サカリ「そうだね、ケンブリッジ大学の大学案内を見ていてたまたま日本学ってコースを見つけたんだ。それまでそんなコースがあるなんてことすら知らなかったんだけど、自分の興味がある分野がうまく網羅されていたんだ。社会学、歴史、政治、そして言語とか。それでこのコースを受験することにしたんだ」
カースティン「私はヴィジュアル系音楽がきっかけだったの。YouTubeを見ていたら “SOPHIA(ソフィア)” というバンドの “ストロベリーアンドライオン” って曲をたまたま見つけて、日本のヴィジュアル系音楽にはまったの。それで日本に興味を持つようになったわ」
エマ「私は特に日本じゃなきゃいけないってわけじゃなかったんだけど、とりあえず大学では語学を専攻したいなっていうのがあって、でもヨーロッパの言語は高校でいろいろやったからなにか新鮮味があるものをということで、日本語を勉強することにしたの」
記者:日本語を勉強するのってどうでした?
サカリ「文法が(英語などやフィンランド語とは)全く違うのには驚いたね。最初はまるでプログラミング言語を学習しているようだったよ」
エマ「漢字を覚えるのは大変だったわ」
サカリ「僕は漢字を覚えるのは楽しかったね。フラッシュカードなんかを使ってさ。考えなくていいから、いい息抜きになるし」
カースティン「漢字はやっぱり難しいわ。使う機会がないとなかなか覚えられないし、すぐ忘れちゃう。たまに(日本人の)先生もイギリス生活が長くてど忘れしてたし」
エマ「私は文法に関しては確かに全く構造が違うけれど、論理的だと思う。だからそこまで大変っていう感じではなかったわ」
記者:私は日本人ですが、漢字を覚えるのは大の苦手でしたね(笑) ちなみに気に入ってる言葉とかありますか?
サカリ「『よろしく』とか『おつかれ』とか。『よろしく』はなにか頼みごとするときにすごい便利。『あっこれよろしく。じゃぁね〜。(立ち去る)』みたいな(笑) 『おつかれ』なんかは本当に英語にしにくい。英語だとグットジョッブとか言えるけど、それだとなんだか上から目線に聞こえちゃうしなかなか難しい」
エマ「私は『ゴロゴロ』とか『時々』とか繰り返し語の言葉の響きが好きかな」
確かに私もイギリスで生活していて、『おつかれ』のような労いの言葉がなかなかなくて不便に感じたこともある。そしてよく日本語を学習している人に言われるのだが、日本語には『もしもし』、『サラサラ』、『ネバネバ』のように2回繰り返す言葉が多くて面白かったり可愛かったりするようだ。考えてみれば、そのような言葉は英語にはない。
少しずつ場の空気があったまってきたところで、次ページの後半(その2)では3人の日本での留学生活に関する質問をしていくことに。日本人とは違った目線で見た “日本” を垣間見ることができるはずだ!
Report:ゴールド土方
Photo:Rocketnews24.