うだつの上がらない化学教師ウォルター・ホワイトが、末期癌(がん)を宣告されたことで一念発起! 専門知識を駆使して高純度ドラッグ “ブルーメス” を生み出し、悪の世界で暴走してしまう衝撃作『ブレイキング・バッド』。
本作の大ヒットにより、出演俳優は大きな注目を集めることとなったが、ウォルター役のブライアン・クランストン以外は、知名度の低い俳優ばかりがキャスティングされていた。
そんななかでも、“彼が出演しているんだ!” と思わず豪華ゲスト出演に喜んでしまったのが、おとり捜査官役ゲッツを演じたDJクオールズだ。そこで今回は、彼にスポットライトを当ててみることにした。
・一度見たら忘れらないルックス!
豪華ゲスト出演といっても、ハリウッドのAリストスターとは程遠い存在のDJクオールズだが、アメリカ映画やドラマが好きな人なら、一度ぐらいは彼を見たことがあるのではないだろうか。細身でヒョロッとして小顔が印象的な彼は、少し病的というか、いかにもジャンキー役が似合いそうな風貌である。
そんなルックスを買われたかどうか定かではないが、本作ではジャンキーとして潜入捜査し、ウォルターの相棒ジェシーの仲間バッジャーをしょっぴく捜査官役で登場する。
ちなみに彼は、大人気オタクドラマ『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』でも、ジャンキーとして潜入捜査する捜査官役を演じている。
・プラダやカルバン・クラインの看板モデルだった!!
身長185センチで小顔ではあるが、イケメンと呼ぶには程遠いルックスで、ムキムキに鍛えているわけでもないDJクオールズ。だが意外にも彼は、有名ファッションブランドのプラダやカルバン・クラインの看板モデルとして活躍していた時期がある。
典型的な美形モデルとは違う個性的でアーティスティックな雰囲気が、デザイナーやフォトグラファーを惹きつけたのかもしれない。
・ハリウッドの大物アイヴァン・ライトマン監督に見い出される
テネシー州の映画館さえない小さな街で生まれ育った彼は、常にホームタウンを離れて俳優になることを夢見ていたという。そんな彼の転機となったのが、2000年公開の映画『ロード・トリップ』だった。
セリフ一言しかない端役のオーディションを受けた彼は、大物監督&プロデューサーとして知られるアイヴァン・ライトマンに見初められ、ハリウッドの彼のオフィスに招待されることに。こうして彼は、演じるはずだった超端役から準主役にいきなり昇格! その後に有名ブランドの広告でモデルデビューして、俳優としても映画やドラマに引っ張りだこの存在となったのだ。
・癌を克服したサバイバー
こうやって彼の経歴を見るとトントン拍子に進んできたようだが、実はそうではない。なんと彼は、14歳の時にホジキンリンパ腫という癌を宣告され、2年間にわたる治療を受けていたのだ。そして辛い治療に耐え、見事に癌を克服した彼はサバイバーと言えるだろう。こういった厳しい時期を思春期に乗り越えたことで、彼は夢を実現する強さをつちかったのかもしれない。
DJクオールズ本人も、「僕の顔は独特だから、誰かと間違われることなんてないよ」と語っている。そして、起承転結がハッキリしている映画よりは、どうストーリーが転ぶか分からないテレビドラマの方が好きなのだという。なので、これからも彼の個性的な顔を、海外ドラマで目にする機会が増えそうだ。
参照元:IMDb、Breaking Bad Wiki(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎
▼オトリ捜査官ゲッツがバッジャーをしょっぴくシーンはこちら
▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編
▼ぬりえは……背景だけ塗って楽しもう!