【新駅誕生?】JR東日本・有楽町線・大江戸線・多摩モノレールの延伸案はどうなってるのか徹底的に調査してみた!(その2)
・5路線はなぜ「整備効果が高いことが見込まれる」のか?
まず、大江戸線に関してその答えを導くのに重要となるのが、『鉄道空白地域』という言葉。この言葉の定義は、「1km圏内に駅がないエリアを有する地域」のことである。練馬区はこの『鉄道空白地域』に新駅設置を予定し、大江戸線延伸によって『鉄道空白地域』の解消を目指している。
また、武蔵村山市に関しては都内で唯一、公共鉄道駅がない地域であり、住民は鉄道利用の際、市外の駅を利用しているのが現状。多摩都市モノレールが延伸すれば、武蔵村山市内に駅が設けられることが見込まれ、立川・八王子へのアクセスがよりスムーズになるという展望があるのだ。
有楽町線延伸に関しては、江東区の深川地区と城東地区のアクセスが悪く、バスでの移動に依存せざるを得ない環境である。延伸によって、江東区内の南北を結ぶ交通を強化したいとの考えがある。
このような需要に対し、以下に示す課題を現状どの程度クリアしているか、あるいは今後どのように解消していくか、という観点から、今回上記5路線が整備効果が高いと見込まれ、優先すべき路線として示されたのだ。
なお、羽田アクセス線に関しては、浜松町以外の都心部から羽田空港へのアクセスの利便性の向上、活性化を見込んでおり、東京オリンピックまでに間に合わせることを理想としていた。
・整備実現に向けてクリアすべき課題
1:導入空間の確保
鉄道を敷設するにあたり必要なのが、実際に線路を引く空間……すなわち、『導入空間』の確保である。地下鉄は道路の下、モノレールは道路の上に敷くのが望ましいとのこと。そのため、導入空間を確保するためにまずは道路整備が必要となるのだ。
この空間がすでに確保されているか、確保が見込まれているかが一つの判断材料となる。練馬区では現在、笹目通り〜土支田通りをつなぐ新しい道路が開通し、さらにその先は大泉学園まで続く道路を整備中であり、この点が評価されたもよう。
多摩都市モノレールに関しては、東大和市から武蔵村山市を通り瑞穂町(箱根ケ崎駅所在地)へと続く新青梅街道を導入空間とし、武蔵村山市は新青梅街道の道幅を現状18メートルから30メートルへ拡幅する工事を予定している。この点が評価を得たようだ。
2:収支採算性の確保
延伸、すなわち駅を増やす場合、当然考えなければならないのは、その駅に継続的な需要が見込まれるかどうか。せっかく新たに駅が設置されても、乗り降りする人があまりないんじゃ採算がとれない。この点はどの路線においても課題となっているようだ。
3:予算の確保
──大きくはこの3点である。
候補に挙がっている地域の大半は、距離的には近いが、適した交通の便がなく遠回りを余儀なくされている住人が少なくないのが現状であり、早期実現が強く望まれている。決まったとしても実現はまだまだ先の事だが、該当地域に住む人にとっては大事な問題であることに変わりはない。今後の経過に要注目である。
参考リンク:練馬区、江東区、武蔵村山市、JR東日本、FNN、Response.
執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.