天丼は贅沢な食べ物である。しかし、そう毎日毎日贅沢をしていたらバチがあたると私(筆者)は昔から思っている。たまに食べるからイイのである。そして、そんな “たまに” だからこそ、思いっきり贅沢なお店の天丼をガッツリと食べたいのだ。
ということで今回ご紹介したいのは、私が昔から愛してやまない天ぷら屋さん、かの有名な銀座『天國(てんくに)』の天丼である。なんと創業130周年、老舗中の老舗の味が、そこにはある。
・天丼を食べるために銀座に行く
なにが贅沢って、まず場所が銀座という点。「天丼を食べるために銀座に行く」という行為が、まず贅沢気分を盛り上げる。次に歴史。なにせ創業130年だ。当然ながら年配の人でも、「銀座の天國かァ」と知っている人は多いはず。
・贅沢とはなんなのか
ちなみに私に天國の天丼を教えてくれたのは、普段は質素な食事しかとらない祖父である。私の父が生まれる前から、ジイちゃんの中での “贅沢” といえば銀座天國の天丼であったらしく、私が幼少のころ、“贅沢とはなんなのか” を伝授するために、よく銀座の天國に連れて行ってくれたのだ。たまに行くから贅沢なんだぞ、と。
・魔法のような至高の丼タレ
それはさておき、天國の天丼の素晴らしさを至極簡単にお伝えしたい。甘すぎず辛すぎず……絶妙すぎる丼タレは、まさしく「江戸前天丼!」といった感じで、食べた瞬間に「ていっ!」とした気持ちになる。深い味がするのに、なぜかアッサリ。魔法のような至高の丼タレからは、守り続けてきた伝統をひしひしと感じてしまうのだ。
さらに、タレも上からかけているのではなく、「くぐらせる」ことによって、ジンワリと全体に “天國の味” が行き届いている。かといってベチャベチャはしておらず、バッチリ最高の染み具合。「いい天丼食べてます」感がハンパないのだ。
・気持ちはヘブン(天国)
そして、天丼の主役といえば、やはり海老天。天國の海老天は、まさに「プリッ!」としており、ひとくち食べただけで「はい、いい海老天食べました」といった気持ちになってくる。お新香もウマいし、お茶もウマいし、店の雰囲気もイイ感じ。天丼ひとつで、こんなにまで贅沢な気持ちになれるのであれば、多少高くても納得なのだ。気持ちはヘブン(天国)……まさに天國!
・「ここぞ!」という時にガツンと勝負
ちなみにレギュラーメニューの “いわゆる天丼” は、松竹梅よろしく3タイプ揃っている。A丼は海老2尾・きす・イカかき揚・野菜2点で1620円。バランスの良いB丼は、海老2尾・イカかき揚・穴子・野菜2点で2268円。究極至高のC丼は、海老2尾・きす・文甲イカ・大海老・野菜2点で3024円となっている。
たまの贅沢なら……思い切ってC丼だろう。ふだんは贅沢を我慢して質素に生活。ためにためて……お金もためて、「ここぞ!」という時にガツンと勝負。「それが贅沢ってもんなんだ」と、ジイちゃんが言っていた。落差があるからこそ、贅沢なのだ。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 銀座『天國』
住所 東京都中央区銀座8-9-11
時間 11:30~22:00
休日 年末年始以外は無休
執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
▼休日の銀座といえはホコテンだよね
▼ここが天國!
▼店の外観はこう!
▼お茶もウマい!
▼フタ付きで出てくる!
▼この染み具合!
▼エビはぷりぷり!
▼この染み具合!(2回目)
▼おしんこもウマい!