「お年玉」という言葉を外国人に教えるときにどうすればいいだろうか。お年玉文化がある中国では教えることは容易いが、そのほかの国では難しいかもしれない。日本語教師としてのスキルが低い私は、悩みに悩んだ末に「実際にお年玉をあげる」という楽な方向に逃げた

しかし、日本語教師の収入は低い。何十人もの学生にそれなりの現金を渡したら破算だ。そこで「いかにも日本的なもので、且つ安くて済むもの」を探した結果、五円玉に行き着いた。

・中国にはお年玉の文化がある

私は中国で日本語を教えていた。中国にはお年玉の文化があるので、単語として教えるのは簡単だった。ちなみに「お年玉」は中国語で「压岁钱(圧歳銭)」と言う。日本のそれよりも金額重視だ。

・日本で唯一 “漢数字” で書かれた硬貨

手元に五円玉があったら見ていただきたい。五円玉だけ漢数字表記なのだ。製造年もすべて漢字表記。他の硬貨にはないレベルで日本語をプッシュしているのだ。

そして世界でも珍しい穴あき硬貨。さらに言えば、ピカピカの状態は金のような輝きがあり、稲穂の絵も日本らしさに溢れている。

・汚い五円玉はきれいにしよう

汚い状態で渡したらイメージがよくないので、ピカピカにすることをオススメする。薬剤などは必要なく、市販の歯磨き粉で磨けば十分きれいになる。

五円玉もまさか中国に渡って、中国製の安価な歯磨き粉で磨かれるとは思ってもみなかっただろう。

・ご縁の説明もお忘れなく

五円玉は “ご縁” と発音が同じため、縁起がいいものとされている。さらに穴が開いていて「見通しがいい=将来性がある」などの薀蓄も説明できればバッチリだ。年末年始で海外に行かれる方も多いと思う。現地の人にプレゼントとして持って行かれてみてはいかがだろうか。

・最後に価値を教える

最後に五円玉の価値を現地のレートで説明すると笑いも取れるだろう。将来、私が教えた学生たちが日本に来たときに「先生からもらった五円玉じゃ何も買えない」と私のことを思い出してくれたら私の勝ちである。

執筆:ポンコツ
Photo:RocketNews24.

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