【NASA降臨】「ケプラー宇宙望遠鏡」のスタッフがネット上で質問を募集 「宇宙人はいるの?」「NASAで働くには?」など質疑応答39選(その2)
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Q14:ケプラー計画で発見された惑星の中で、もっとも地球に似ていたのはどれですか?

A14:「ケプラー186f」ですね。地球と同じくらいの大きさで、太陽の半分の大きさの恒星のハビタブルゾーンに位置しています。

Q15:新たな惑星は十分に発見されていると思います。なぜこれ以上の探索を進めるのですか?

A15:私たちの太陽系がどのように形作られたのか、まだ解明されていません。なので、どういった種類の惑星が存在しているのか調査を続けます。これまでに、太陽系の惑星とは、まるで似ても似つかない惑星が太陽系外で発見されていますが、似た惑星は見つかっていないのです。

Q16:ケプラー計画は、人類が移住できる惑星を探すのが目的ですか?

A16:いいえ。太陽のような恒星周辺のハビタブルゾーンに、地球型の太陽系外惑星がどれくらいあるか調査することが目的です。

しかし、より広い視点で見てみると「この宇宙に、生命が生息できる世界があるのだろうか?」「地球以外にも、知的生命体は存在するのか?」という質問の答えを見つけることが目的とも言えるでしょう。

Q17:ケプラーやハッブルなど、NASAの大きなミッションで働くには、どうしたらいいですか?

A17:参加するためには様々な選択肢があります。例えば、私は博士号を取るために、カナダ初の宇宙望遠鏡「MOST」に従事していました。そこでケプラー計画に参加するために必要な技術を身につけました。

他にも、大学で天文学、物理学、数学の授業を受講し、とにかく天文学者を目指していた人もいます。

Q18:ハッブル宇宙望遠鏡が成功したのに、なぜケプラーで調査姿勢がガラリと変わったのですか?

A18:ケプラーの視覚はハッブルの1万倍も大きく、太陽系の17万個の星を一度に見ることができます。また、地球の周回軌道にのっていたハッブルは、次々と撮影する対象を変えていたのに対して、ケプラーは何カ月にも渡って同じ対象を観察し続け、いかなる変化も見逃しません。

ケプラーはあくまでも、地球型の太陽系外惑星を探すことに重点が置かれているのです。

Q19:これまで発見された惑星の大きさの平均はどれくらいですか?

A19:ケプラー計画を通して、小さな惑星の方が、大きな惑星よりも多いということが分かりました。最もよく見かけられるのは、地球の3倍かそれ以下のサイズです。その理由はまだ分かっていません。

Q20:太陽系外惑星を発見できても、実際に訪れることができないなんて、悲しくなったりしませんか?

A20:惑星のほとんどが地獄みたいな環境だから行きたいとは思いませんね。

Q21:次の50年間で何を発見したいですか?

A21:生命です! 次の世紀は、地球外生命体について学ぶ時代だと思っています。

Q22:ケプラー計画が終了したら、みなさんどうなるんですか?

A22:それは、計画でどのような役割を担っているかで大きく違ってきます。多くのエンジニアや技術者は、ケプラーが打ち上がった後に別のプロジェクトに移って行きました。科学者の場合は、ケプラーを打ち上げてデータを収集するまで、具体的にやることがそうありませんでした。

私はケプラー計画に従事しながら、2017年打ち上げ予定の、ケプラーの後継となる系外惑星探査プロジェクト「TESS」の準備も行っています。ケプラー計画が終わったら、今度はTESSにどっぷり浸かることになると思います。

Q23:ケプラーは部品が壊れ「K2ミッション」がスタートしましたが、どう変化しましたか?

A23:「K2ミッション」はケプラーとは大きく違って、空の一定の方向を長期的に観測するのではなくて、80日ごとに観測する方向を変えます。

なので若い恒星の周りを公転する惑星や、星団の中の惑星など、様々な環境にある星を観察することができます。

Q24:どういった条件の惑星なら、宇宙人がいると判断されるのですか?

A24:まず、岩石でできていて、そして太陽に似たような恒星の周りのハビタブルゾーンに位置していることですね。水や二酸化炭素、酸素などが、検知されれば、生命体が存在する可能性が出てきます。もしフロンガスなどが発見された場合は、知的生命体の存在が示唆されます。

Q25:“ケプラー” という名前をどう思いますか? ピッタリだと思いますか?

A25:ケプラーは素晴らしい名前だと思いますよ。この計画は、ヨハネス・ケプラーによって発見された太陽系の惑星の運動に関する法則「ケプラーの法則」を元にしています。私はケプラーの第三法則のポスターを壁に貼っています。昔、難問と格闘していたとき、そこに書かれている方程式を活用していました。

当初、この計画には「FrESIP(Frequency of Earth-Sized Inner Planets)」との呼び名が付いていましたが、「ケプラー」の方がずっといい名前ですよね。

Q26:太陽系外惑星に探査機を派遣する場合、どれくらいの時間がかかると思いますか?

A26:現在の技術では、探査機の最速スピードは、毎秒10~20キロの速さとなります。これでは、一番近い恒星に着くまでに何万年もかかり、途中で探査機がストップしてしまいます。

秒速30万キロにあたる光速の何分の一かの速度で移動できれば、数年〜数十年で辿り着くでしょうが、そこまで技術は発達していません。ということで、今のところは太陽系外に探査機を送ることは現実的ではありません。

Q27:もっとも宇宙人がいる可能性が高いのはどの惑星ですか?

A27:これまでに、太陽よりも温度の低い恒星の周りのハビタブルゾーンに、岩石性の惑星をいくつか発見しています。そこに大気や水が存在すれば、それらの惑星にはなんらかの生命体がいるかもしれませんね。

Q28:他の惑星に生命が発見された場合、その生命体の姿を直接見ることができるような望遠鏡が開発されると思いますか?

A28:もちろんです。もしそんな画期的な事態になったら、どんな生物なのか確かめたいという好奇心を押さえることは不可能でしょう。なんとしてでも、望遠鏡は開発されるはずです。

……最後の質問は次ページ(その3)で!

参照元:Reddit、Twitter @NASA Kepler(英語)
執筆:小千谷サチ