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人類未到の難題「宇宙人は存在するか?」。何が起こるか分からないこの世の中、宇宙人がいたとしても何ら不思議はない。UFO目撃・宇宙人遭遇の体験談だって世界中から寄せられている。しかし……その存在が証明できていないのが現実だ。

目下、あの手この手で進められる宇宙人探査は、電波望遠鏡で受信した電波を解析する方法が主流なのだとか。しかしこの度、“ニオイ” で宇宙人を見つけられるかもしれないとの驚きの発言がNASAから飛び出したのである! 宇宙人とニオイ……その根拠は一体なんなのだろうか?

・望遠鏡をのぞくよりも、ニオイをかごう!?

今回の “ニオイ” 発言を行ったのは、NASAの科学者ショーン・ドマガル=ゴールドマンさん。彼は、NASAが行ったパネルディスカッションで「宇宙望遠鏡をのぞき込むよりも、その惑星の大気のニオイをかいだほうが宇宙人が見つかるかもしれない。まあ冗談だけど」と話したのだ。なんだ、冗談か! と思わされるが、この発言にはそれなりの根拠があるという。

・「酸素とメタンが両方ある=生物がいる」という仮説

地球から遠く離れた惑星で生命体を発見すべくドマガル=ゴールドマンさんが調査を行っているのは、その惑星の大気。大気中に酸素とメタンが同時に検出されれば、そこには生命が存在する可能性があるというのだ。

なぜなら、酸素とメタンは互いに反応して消滅してしまうので、その両方が大気に存在するのは、何らかの生物が酸素とメタンを供給し続けているからなのだとか。

・酸素がなかった地球にも原始生物がいたのでは?

今となっては、生物によって放出される酸素とメタンが充満する地球の大気。しかし、酸素が蓄積され始めたのは27億年前の始生代の時代であり、それ以前の地球には酸素が存在していなかったと考えられている。

ということは、先述の「酸素とメタンを手がかりに宇宙生命体を探す方法」を、無酸素状態の始生代以前の地球で行った場合、原始生物を見落としてしまう恐れがあるのだ。それは、酸素のない惑星でも同様のことが言える。

・酸素なしの環境では微生物が臭気ガスを放出か

しかし、心配は無用とドマガル=ゴールドマンさんは主張する。現在行われている研究によって、酸素のない状況では微生物が硫黄系などの臭気を帯びたガスを放出する可能性が示唆されており、彼自身も研究室で実際にそのニオイをかいだというのだ。

・ガスを観測することで生命の印を見てとれる

では、遠い惑星で発生しているそのニオイをかぐことができればスムーズに生命体を探知できる……のかもしれないが、いかんせん現実的ではない。しかし、目視による認識は可能なようだ。

現在の地球の環境では、それらのガスはすぐに酸化してしまうが、無酸素環境下では酸化されずに大気に充満していく。そして、そのガスに覆われた惑星の状態を天体望遠鏡を通して観測することで、そこに生命の印を見ることができるのである。

・惑星の大気を調べる探査機も続々登場!

今はまだ「ニオイをかいだだけで、宇宙人を探す方法」は冗談の域を出ない程度なのかもしれないが、それでも惑星の大気を探査する手段は着々と進められている。

例えば、どのようにして火星の大気が現在の状態になったのか調査を行っているのが、2014年9月21日に火星の軌道に入った探査機「MAVEN(メイヴン)」。

さらに、2018年に打ち上げ予定の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」を使えば、遠くの惑星で発生した大気汚染を探知できるかもしれないと言われているのだ。観測ができた場合、その惑星の生命体は工業化を進められるほどの技術を持っていることになる。

日進月歩の宇宙人探査。今回の “嗅覚” のように、味覚や触覚など人間の五感を使って宇宙人を探す案が、今後も飛び出すかもしれない……。そう考えると、遠い宇宙も身近に感じられるような気がしてくるものだ。

参照元:SPACE.comNASACFA(英語)、Twitter @NASAWebbTelescp@MAVEN2Mars
執筆:小千谷サチ

▼火星探査機「MAVEN」

▼「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」