なぜ人は同じことを繰り返してしまうのだろうか。たとえば、過ちを繰り返してしまった場合、少なからず反省をして同じことを繰り返さないように心がける、はずである。あまりこういうことは言いたくないのだが、何度も同じことをしてしまうのは学ばないためではないかと思う。
大手ファストフードチェーンのロッテリアは過去に、バンズ(パン)に麺を挟むラーメンバーガーという商品を出した。お世辞にもおいしいとは言えなかったのに、その後につけ麺バーガーを販売。なぜだ! という疑問が消えないうちに三度麺を挟んだのである。それが2014年9月8日に登場したナポリタンバーガーだ。なぜ麺を挟むのか?
・プロデュースは川越シェフ
今回はテレビや雑誌でもおなじみの川越達也シェフがプロデュースをしたそうだ。これまでもの麺バーガーは、「麺屋武蔵」と「大勝軒」が監修を行っている。これらの有名店が商品開発に携わっていたにも関わらず、期待値を超える結果を出していない。したがって、川越シェフと言えども油断はならない。
・見た目は上品になっている
実際に商品を購入して、実物を見てみるとこれまでにない変化が見られた。それは麺がバンズからはみ出していない。まずはこの点だけでも評価をしておこう。これまでは、ただ麺を挟んだだけだったのだが、バンズに収まるサイズに麺を成形しているのである。わずかではあるが、見た目が上品になったと言えるだろう。
・初の「洋」テイスト
そしてこれまでどちらかと言えば、「和」の味付けであったのに対して、初めて「洋」の要素を取り入れている。ナポリタンといえば、トマトもしくはケチャップの味付けがベースになるだろう。ハンバーガーのパティ(肉)との相性は悪くないはずである。
・バランスは良い
食べてみると、味のベースはやはりトマトソース。バンズとパティとの組み合わせは問題ない。今までのものは麺の主張が強かったが、この商品は麺の食感が邪魔にならず、思った以上にバランス良くできている。さすが川越シェフ。麺バーガー3商品のなかで、最高の出来といっても過言ではない。ただ……。
・麺いらない
この商品は「具だくさんソース」を売りにしているのだが、具が見当たらない。麺はわかるが、具だくさんという言葉からははるかに遠い状況だ。しかも、麺の役割がよくわからない。正直、「これ麺いらないんじゃないの?」と思ってしまうのだ。ミートソースかトマトソースのハンバーガーで良かったのではないだろうか。
・出来上がったものは無難
もしかしたら、これまで麺バーガーの評価が思わしいものではなかったため、控えめに作ったら普通になったということかもしれない。はっきり言うが、もう麺は挟まなくていい。積極的に新メニューを開発するのは良いと思うのだが、もう麺は挟まなくていい! もう麺はいいから! マジで。
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼包装紙には「TATSUYA KAWAGOE」の文字
▼従来の麺バーガーと異なり、麺がはみ出していない
▼こじんまりと麺が収まっている
▼ソースは具だくさんのはずだが、「たくさん」という印象は受けない。麺の食感も弱いので、麺なくても良いのでは……