ウクライナ東部で発生した、マレーシア航空機の撃墜事件を受け、アメリカをはじめとする欧米諸国はロシアへの圧力を強めている。ウクライナの親ロシア派が撃墜したのではないかという疑惑がもたれていると同時に、国際調査団に対して親ロシア派が妨害を続けているからだ。
ロシアは親ロシア派に対して協力させる責任があるとして、オバマ大統領はプーチン大統領とロシアを批判している。事件の真相はいまだ謎に包まれているのだが、米・露の二国間の緊張が思わぬところに飛び火したようだ。最近行われたアメリカのプロレス団体「WWE」の試合でロシア出身の選手のマネージャーが、マレーシア機撃墜をうかがわせる発言をして、炎上状態となっているのである。
・マイクパフォーマンスで観客を挑発
問題発言をしたのは、ルセフ選手のマネージャー、ラナ(本名: キャサリン ・ジョイ ・ペリー)だ。彼女は以前からアメリカ嫌いという設定のキャラクターを演じている。最近の試合でも得意のマイクパフォーマンスで観客を挑発したのだが、その内容が過激すぎたと批判を浴びているのだ。
・ロシア批判に反発
彼女は、「あんたたちは最近の事件でロシアを批判している」とふっかけ、「今夜我々は、世界でもっとも強力な男に、この試合を捧げる。今夜我々は、あんたたちアメリカ人の愚かな行いをする男に、この試合を捧げる」と言い放ったのである。
・「私のアイドル、ロシア大統領」
これは暗に露・プーチン大統領と米・オバマ大統領のことを示唆している。観客からは激しいブーイングの声が上がったのだが、彼女はさらに、「彼は私の手本、彼は私のアイドル、ロシア大統領」と、プーチン大統領に対する賛辞を述べた。
・行き過ぎたパフォーマンス
ラナは具体的にマレーシア機撃墜について、言及した訳ではなかったが、言わんとすることは十分すぎるくらいに良くわかる。これにアメリカを中心としたネットユーザーが大激怒している状況だ。ちなみにラナは米・フロリダ州の出身であり、ルセフ選手はブルガリアの出身である。2人ともロシア人ではない。ショーを盛り上げるためとはいえ、少々やり過ぎな気もするのだが……。