sizemore

野球選手には怪我がつきものであり、完治せずにそのままユニフォームを脱ぐ選手も数えきれないほどいる。時として野球の神様は残酷だ。しかし今、一人のメジャーリーガーが990日ぶりの復活を遂げたことで注目を集めている。

彼の名前は、グレイディ・サイズモア。今季からボストン・レッドソックスに所属する彼の苦難の日々とは……。今回は彼の復活までの道のりを開幕戦で放ったホームランを動画「Sizemore makes his Red Sox debut」と共にご紹介したい。

・サイズモア選手とは

1982年8月2日生まれの31歳で左投げ左打ちの外野手。2004年にインディアンスでメジャーデビューを果たすと、2005年からはチームの主軸へと成長。オールスター出場3回、20本塁打20盗塁以上を4度記録し、メジャー屈指の選手になった。

走攻守3拍子が揃ったプレースタイルと甘いマスクで多くのファンを魅了し、順風満帆に思われた彼の人生だったが、野球の神様から試練を与えられてしまう。そう、度重なる「怪我」である。

・悲鳴を上げる身体

アグレッシブなプレーが持ち味であったが、それが諸刃の剣となり、2009年から故障を頻発。膝、肘、腰、背中……と多くの箇所に怪我を抱え、何度もメスを入れても完治しない程に苦しめられたのだ。

2010年はわずか33試合、2011年は71試合の出場と年間100試合出場ですらままならなくなり、ついに2012年、2013年シーズンは1試合も出場できず。当然、「彼は終わった選手」だと、多くの球団が獲得に二の足を踏んだ。

・990日ぶりの復活劇

しかし、レッドソックスが今年1月に彼との契約を発表。野球選手としてもう一度チャンスが与えられた。そして迎えた3月31日のオリオールズとの開幕戦に990日ぶりの出場を果たしたサイズモア選手は自らの手で不安や葛藤を振り払う。

6番センターとしてスターティングメンバーに名を連ねた彼は、ライトスタンドへ豪快な一撃を放ち、勝利に貢献したのだ。久しぶりの感覚で打球の飛距離がわからなかったのだろうか、二塁ベースを全力で回る姿と合わせて感動的な復活であった。

4月11日には宿敵であるヤンキース戦で今季第2号となる決勝3ランホームランを放ったサイズモア選手。ここまで打率・333とヤンキースに移籍したエルズベリー選手の穴を感じさせない活躍を見せており、カムバック賞の受賞も期待されている。

参照元:YouTube
執筆:原田たかし