幼くして重い病をわずらい、化学療法のために頭髪が抜け落ちてしまった。そんな過酷な状況にある少女、デレーニー・クレメンツちゃん(11歳)。コロラド州の学校に通う彼女の友達カムリン・レンフロちゃん(9歳)は、少しでも心の支えになればと、自分も丸坊主にしてしまったのだ。
心温まる友情のはずが、彼女たちが通う学校は驚くべき判断を下したのである。丸坊主は校則違反であるとして、カムリンちゃんを停学処分に。これがアメリカ中で話題となり、学校に対して批判が殺到する大騒ぎとなった。
・両親に剃ってくれるようにと頼んだ
問題が起きたのは、コロラド州グランドジャンクションのキャップロック・アカデミーだ。神経芽細胞腫(小児がんの一種)の化学療法で、頭髪が抜け落ちてしまったデレーニーちゃん。その彼女を励ますために、カムリンちゃんは両親に自分の頭を剃ってくれるようにと頼んだそうだ。
・校則違反で授業を受けさせてもらえず
だが、カムリンちゃんが学校に行くと、丸坊主は校則違反のため授業を受けさせてもらえなかったのである。学校側は、彼女の友人を励ましたい気持ちは承知しているとしたうえで、規則は丸坊主を認めていないと説明したそうだ。
・学校に対する批判殺到
どうして授業を受けさせてもらえないのか? 憤りを感じたカムリンちゃんの母親は、Facebookにその一部始終を投稿したところ、同じように学校規則に理不尽を感じていた親たちが賛同し、またたく間に話題になった。そしてこのことがアメリカの主要なウェブニュースで取りざたされ、学校に批判が殺到する事態となったのである。
・友達は喜んだのに……
これを受け、学校側は会議を開き、特例としてカムリンちゃんの丸坊主を認め、停学処分を取り消したという。カムリンちゃんは頭を剃ったことについて、「正しいことをしたと思っています」と話している。たしかに、彼女のしたことは友達思いの素晴らしい行動だ。実際デレーニーちゃんは彼女が頭を剃ると伝えると、大変喜んだそうだ。
規則を重んじることは大切なことかもしれない。だが、学校が子どもを育む場であるならば、規則に反したという理由だけで、その背景にある思いまで、バッサリと斬り捨ててしまっても良いものなのだろうか。あなたはこの停学騒ぎを、どのように思うだろう?
参照元: Metro.co.uk、YouTube(英語)
執筆: 佐藤英典