2014年1月10日から3日間の日程(11・12日が一般公開)で開幕した、日本最大級のカスタムカーのイベント「東京オートサロン2014」。趣向を凝らしたカスタムカーが一同に集結し、その技術の粋を余すところなく披露する。
今回記者(私)が注目していたのは、昨年コンセプトカー部門で優秀賞を獲得した、専門学校生の作品だ。昨年は廃車寸前のビートルを、最新技術を搭載したエコカーに大変身させていた。そして今年は……ユーノス・ロードスターをストリートロッダーに変貌させていた! 細部にまでこだわった作り込みは圧巻の一言に尽きる!! めちゃめちゃカッコいいーッ!
・2013年に優秀賞を獲得
この作品「WIZ CONCEPT 8」をつくり上げたのは、福島県郡山市の専門学校「WIZ国際工科大学校」だ。同校には自動車工学科があり、2007年から毎年オートサロンに作品を出展している。彼らのコンセプトシリーズは年々クオリティを高めており、そして2013年についに優秀賞を獲得するに至ったのだ。
・ロードスターがホットロッドに大変身!
今回ベースになったのは、1993年式のマツダのロードスターだ。もしかしたら、生徒たちと同い年の車体だったのかもしれない。それを骨組みからつくりかえた。フロントは、パイプフレームを自作し、バイク用のリンク式サスペンションに変更。運転席は無駄なものを徹底的に排除して、戦闘機のコックピット的なスタイルに作り替えている。また、リアは、リアフードを大きくカットしてオープンホイール状態に。これぞまさしくホットロッド! 元がロードスターだったとは到底思えない変貌っぷりだ。
・塗装にもこまやかな工夫
実は細かいところにも工夫が施されている。車体にリベットを打ったような塗装がされているのだが、これは本当にリベットを打っているわけではない。塗装前に丸いシールを等間隔に並べ、その上から吹きつけ塗装を行っているのである。同校がたくわえた知恵が生み出した技と言って良いだろう。
はたして今年のカスタムカーコンテストで、どのような結果を残すことになるのだろうか? 投票結果が気になるところである。
Report: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24
▼これがロードスターだと!? ストリートロッダーに大変身だ!
▼面構えが凛々しい
▼4連スロット化したエンジン
▼リアフードをカットしたオープンホイールのリアはなかなかセクシーだ
▼戦闘機のコックピットをイメージした運転席
▼無駄なものを排除したステアリング周りは、武骨な力強さを感じさせる
▼アナログ感丸出しのスイッチをオンにしたらどうなるの? ロボットアニメを見て育った世代には、たまらない演出だ
▼ちなみにこれが元の車体。面影ゼロ
▼制作風景の一部を見せて頂いた。創意工夫を重ねた様子がうかがえる
▼リンク式サスペンションはバイクのものを使用したそうだ
▼フロントグリルの向こうに、そのサスが見える
▼ちなみにグリルの左半分はクモの巣(ウェブ)になっており、エンジンの上にはそれを象徴するクモがいる。遊び心も忘れてない
▼ボディのリベットを打ったような塗装は、丸いシールを貼って吹き付け塗装を行ったものだ
▼リアには制作に携わったメンバーの名前が刻まれている(カッティングシートで名前を貼り、上から塗装)
▼ロードスターの部品は意外なところで生きている。たとえば、このカート
▼エンジンパーツが使われている
▼また車体下を照らしている照明は、シリンダなどのパーツで作られているそうだ
▼シフトレバーにも、エンジンのスプリング。無駄がない
▼はたしてこの作品は、カスタムカーコンテストでどんな結果を出すのだろうか?