【実録】「800万円の優子」が誘導してきた怪しい出会い系サイトに行ってみたらこうなった(その5)
・翌日も続いていた!
激動の11月18日が過ぎ、翌日の11月19日。「明日できる事は明日じゃなくて今日中に終わらせたい」、「残り1~2時間が勝負」と言っていた優子だったが、私からの返信は一切なし。普通だったらあきらめるよな……と思いきや!
シドニーにいる優子は、そして失礼な浦辺は、まだ800万円の処分をあきらめてはいなかった!! ここから急転直下の結末に向かうので、彼らのメールを一気に3連発掲載する。なお、読み飛ばしても支障はない。
・優子7通目
【日時:11/19 11:52 差出人:優子】タイトル:叔父には全て内密にしてますが、叔父に大金を持たせない事で暴走させずに済みますし、結果として叔母夫婦の関係も良好な状態を保てると思います。
「以前はかなり修羅場でしたから。とにかく800万を受け取ってもらっても、誰かが損をする事は有りません。私たちは心配の種がなくなるし、GO羽鳥さんはリスクとか無しで800万を手にして自由に使える…それだけの事なんです。」
・浦辺6通目
【日時:11/19 11:53 差出人:担当:浦辺】タイトル:《8,000,000-》のお渡しに対しては即決で今日の手続きを行います。これ以上時間を無駄にすればお渡し所ではありません。
「GO羽鳥さんが何をしたいのか分かりかねますが、ここは急いで手続きを進めなければなりません。優子様からも即日でのお渡しをお願いしているとの連絡を受けております。ここは急いで準備を進めて頂けませんか?」
・優子8通目
【日時:11/19 12:31 差出人:優子】タイトル:◆《送信無料》◆GO羽鳥さん、どうしてですか…?どうしてご連絡をいただけないんですか? 私は良いんです、だけど浦辺さんへはしっかり連絡をして頂けませんか?
「時間ばかりがかかってお渡しが出来ない状態がずっと続いています…浦辺さんにも私はお願いしているんです。800万のお渡しを依頼している以上は、タダではありません。費用を使ってまでお願いしているという事は本気だという事です。GO羽鳥さんに誤解はしない頂きたいのですが、しっかりお渡しをしたいので連絡は頂けませんか?」
――すでに、これらのメールが送られてきている時間には、優子が主役の前記事「【実録】スマホの携帯メール宛に届いた「800万円を受け取って下さい」に対応したらこうなった」は公開されているのだが、おそらく彼らは、いや、サイトの運営者は……まだ気づいていない。
・GO羽鳥からの返信5連発
この時点で、彼らからは合計14通のメールが届いている。しかし、どのメールも「連絡をくれ」や「浦辺に連絡しろ」や「フルネームを教えろ」など、わりとどうでもいい内容ばかりである。「800万円を振り込む口座番号を教えろ」とは言ってこない。つまり、相手からのメールは “核心に迫っていない” のだ。
・切り返しても返答なし
とりあえず、様子を見るため、優子ならびに浦辺に対し、私は「口座番号をここに書けばいいのですか?」といった趣旨のメールを返信してみた。しかし、返答はない。フルネームを教えろというメールに対し「GO羽鳥です」と返信しても、それについての返答はない。どんどんポイントが減っていく。
・そしてポイントは0(ゼロ)に……と、その時!!
そして5通目、「GO羽鳥さん、約束は守ってください」というメールに対し、私は11月19日の13:11に「どないせいっちゅうんじゃ(笑)」と返信した。この瞬間にポイントは0(ゼロ)だ。新たな返信をするためには、50ポイント(500円)を購入しなければならない状況……と、その8分後、事態は大きく動き始める!! まずは浦辺!
・浦辺7通目
【日時:11/19 13:19 差出人:担当:浦辺】タイトル:確認致しました。それではお振り込みに必要な口座情報をご記入下さい。
「【銀行名】:
【支店名】:
【口座番号】:
【名前】:こちらの情報をご記入し私の方までお送り下さいませ。もちろん大事な個人情報となっておりますのでセキュリティーに関しては万全の準備を用意しております。
個人情報などを暗号化し安全に送信する技術(ASCE)を利用し、送受信し悪質なユーザーから全て保護しております。流出や悪用の心配は一切ございませんのでご安心下さい。」
――続いて、ピッタリ同タイミングに優子が畳み掛ける!
・優子9通目
【日時:11/19 13:19 差出人:優子】タイトル:あの、すいませんが浦辺さんへ連絡頂けませんか?
「私では対処出来ないので、とにかく浦辺さんとここからはお話して下さい。私も延長費用等を申請していますのでそちらはよろしくお願いします。」
――お分かりいただけただろうか。相手は、こちらのポイントが0(ゼロ)になったのを見計らい、やっと核心に迫ったことを切り出してきたのだ。もしも、この「800万円物語」の世界に、何も疑うことなくドップリと入ってしまった人ならば、ポイントを購入して口座番号を教えていたことだろう。
・優子はいない。でも顔は見せてくれた
その口座番号が悪用される可能性もゼロではない。なにせカモ中のカモ、自らお金を払って重要な情報をホイホイと教えてくれるという、狭き門をくぐり抜けた精鋭中の精鋭カモである。まるでラジコンのごとく、上手にコントロールしたら、「オレオレ詐欺」的な手法で金を騙しとることだって容易であろう。
以上、これが今回の「800万円物語」の真相だ。優子なんてシドニーにはいない。日本にはいない。いや、もしかしたら、群馬県伊勢崎市にいるのかもしれないが、いやいや、優子はこの世に存在しない。でも、顔は見せてくれた。
最後のページに、オマケとして掲載したい。ここまで読んでくれてありがとう。ありがとう優子。あ りがと.う浦辺。あ.り.が.と.う……。(完)
Report:GO羽鳥