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野球とは最後の最後まで何が起こるかわからないものである。「野球は9回2アウトから」という言葉があるように、仮に3点差があったとしても満塁ホームランを放てば試合はひっくり返ってしまう。

そこで今回は、これまでにあった満塁サヨナラホームランの中でもっともドラマチックなものをご紹介したい。その劇的な様子は動画「近鉄北川 代打逆転サヨナラ満塁優勝決定HR(お釣りなし)」で確認可能だぞ!

・時は2001年

2001年のパ・リーグは、タフィ・ローズ選手、中村紀洋選手、吉岡雄二選手らを擁する近鉄バファローズが、シーズン200本を超える脅威の破壊力を持つ「いてまえ打線」で猛威を奮った。

前年最下位ながら近鉄はシーズン終盤のダイエー、西武と三つ巴の優勝争いに残り、怒濤のラストスパートをかけた。そして9月26日に行われた本拠地でのオリックス戦で優勝決定のチャンスが巡ってきたのだが……

・優勝を決める試合でのドラマ

9回裏までオリックスに3点のリードを許す展開となった近鉄。窮地に追い込まれ、優勝は持ち越しかと思われた。しかし、そこから奇跡が起きる! 2者連続ヒットで出塁すると、次の打者も四球で歩き、ノーアウト満塁の絶好のチャンスを作った。

そして代打で北川選手の登場である。2ストライクと追い込まれた後の4球目……バットを振り抜くと打球は一直線でスタンドへ……! 代打で逆転満塁サヨナラホームランという神がかり的離れ業で優勝を決めたのだった。

・そしてお釣りなし

劇的サヨナラ満塁弾で12年ぶり4回目の優勝を決めた近鉄。点差をピッタリひっくり返す “お釣りなし” というのも信じられないものであった。実況が「しっかり踏めよ! しっかり踏めよ!」と連呼しているのも印象的なシーンだ。

・代打逆転サヨナラ満塁ホームラン

ちなみに日本プロ野球における代打でのサヨナラ満塁ホームランを放ったのは、これまでにたったの8人。樋笠一夫氏、藤村富美男氏、広野功氏、柳原隆弘氏、藤田浩雅氏、藤井康雄氏、そして北川選手と2011年に放った長野久義選手しかいない。

・お釣りなしだとたった3人

8人のうち、お釣りなしとなったのはさらに絞られ3人。史上初の代打逆転サヨナラ満塁ホームランを放った樋笠一夫氏、9回2アウトから放った藤井康雄氏、そして北川選手となる。

空前絶後の快挙なだけにこの先、代打で優勝を決定づけるサヨナラホームランを放つ選手は出てこないかもしれない。そう、漫画でも書けないくらいのドラマが北川選手の一振りには詰まっているのだ。

参照元:YouTube
執筆:原田たかし

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