kamonan2-112355

そろそろ寒くなってきた! 寒くなると腹がへる! でも外には出たくない! だって寒いし、面倒だから! そんな時に役に立つのが出前である。ピザに寿司に中華……と、いろいろ出前はあるけれど、定番なのが「そば屋」である。

メチャクチャ寒いから「鍋焼きうどん」にしてみようか。それとも、そばの味を確かめるべく「ざるそば」なんかにしてみようか。迷いに迷うが、そば屋の出前戦士たちからも一目置かれる「通(つう)」な出前注文メニューがあるという。ベスト5で紹介したい。

5位:鴨南蛮せいろそば

どこのそば屋でも、鴨南蛮(かもなんばん)系は、比較的ハズレが少ない。なぜならば、鴨肉の「ダシ」の強さでツユの弱さもカバーできるからだ。よって鴨南蛮系を注文する人は「通」である。だが、ここでさらに「通度(つうど)」を高めたいのならば、「鴨南蛮そば」ではなく「鴨南蛮せいろ」を注文したい。

その理由は簡単だ。最初からツユに入っている「鴨南蛮そば」は、そばが伸びる可能性がある。しかし、冷麺の「せいろ」ならば伸び率も少ない。出前だから「せいろ」にし、さらに失敗の少ない「鴨南蛮」の温かい漬け汁を選択するお客さんは、出前師から見ると「通だな」と思うわけだ。

4位:あえて「ラーメン」

そば屋なのにラーメンを出しているお店は、けっこうある。しかも、なにげに麺も自家製。スープも独特な自家製だったりもし、一種独特な「そば屋のラーメン」になっていることもよくある話だ。ラーメンが不味いそば屋はゴマンとある。だが、ごくたまに、本業ではないラーメンの完成度がピカイチだったりすることもある。

そばも美味いが、ラーメンが激ウマだった奇跡のそば屋で働いていた出前師は、ラーメンのみを狙い撃ちで注文してくるお客さんに対し「この人、分かってる……」と深く感心したという。そば屋には、そんな隠れたダイヤモンドが眠っている。近所にそば屋があるならば、ラーメンの味は確認しておいたほうが良いだろう。

3位:あえて「カツライス(とんかつ定食)」

そば屋といえば「かつ丼」だ。だが、かつ丼ではなく、あえてカツが主役の「カツライス(とんかつ定食)」を注文する人は通である。普通のとんかつではない。かつ丼に使う、やや薄めの「とんかつ」なのだ。なにげにこれ、美味いのだ。

ちなみに、お昼時に注文すると、大量に揚げてストックされた「お昼ラッシュ用のとんかつ」が使われる可能性がある。真の通は、午前中の営業終了間際に注文してくる。午後2時半ごろだ。その時に注文すると、ストックがないので、揚げたてのとんかつが出てくるという寸法である。

2位:かきたまうどん・そば(あんかけうどん・そばでも可)

冬場に「鍋焼きうどん」を注文するのは、定石であり、普通である。なぜならば、鍋のおかげで冷めにくいからだ。出前でもお店とほぼ同じ味が堪能できる。しかし、真の通は「あんかけ系」を狙ってくる。かきたまうどんに、かきたまそば、あんかけうどんに、あんかけそばなど。

なぜ通は「あんかけ系」を狙うのか。理由は簡単、冷めにくいからだ。普通の「汁」だと、冷めやすいうえに麺が伸びやすい。しかし、あんかけ系だと、あんかけのトロミが「フタ」のような状態になり、圧倒的に冷めにくい。さらに麺もなぜか伸びにくい。冬場のあんかけ、覚えておこう。

1位:カレーそば + ライス

このセットの注文が来た時、出前師たちは「このお客さん、かなりやるな……」となる。まず、「カレーうどん」ではなく「カレーそば」を注文している時点で「やるな」である。カレーうどんが悪いわけではないが、カレーそばのほうが「カレーの汁」が絡みやすい。さらに、そばとカレーはよく馴染む。

しかもだ。そこにライスを合わせる。濃い味のカレーそばと一緒にハムハムと食べることだろう。さらに! カレーそばを食べ終えたら、おそらく丼のなかにゴハンをバコッと入れるはずだ。家なんだからマナー無用。カレーそばの残り汁で、即席の「カレーぞうすい」を食すわけだ。これがマジで美味いのだ。お茶漬けのようにサラサラいけちゃう。最後は、カレー汁一滴残らない。完璧なまでの完食だ。

以上5メニューが、そば屋で出前をしていたこともある調理師の意見である。是非とも参考にしてほしい。念を押して書くが、「カレーそば + ライス」の組み合わせは最強である。絶対に一度はトライしてほしい。

執筆:GO羽鳥
photo:RocketNews24.