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「カバン、トケイ、ミテミテ」、「オンナ、オッパイオオキイ、ヤスイヨ」海外を旅行したことがある人は、一度や二度、現地でこんな客引きを見たことがあるのではないか?

あれについていくとどうなるのだろう。あの人達は何者なのだろう。謎に思っていたのだが、中国で日本人専門の客引きをやっていた人物から裏事情を聞くことができた。

・ディズニー大好きなチンピラ・王くん
王くん(仮)と出会ったのは上海のとあるホテルのロビーである。記者(私)らが泊まっていたホテルには複数のチンピラが住んでいた。同じ宿に泊まっている者同士、何となく顔は知っていたのだが、彼はこちらが日本人だとわかると、旅行で行った東京ディズニーランドにいたく感動したという話をしてきた。彼の職業は元・日本人専門の客引き。せっかくなのでいろいろ聞いてみた。

・客引きについて行くとどうなるの?
一般的に、海外の客引きについていくと軟禁されて高額なものを買わされたり、法外な飲食費を請求する「暴力バー」に連れて行かれることがあるという。ガイドブックにも「絶対についていってはダメ」と注意が促されているが、客引きについていくとどうなるのか。

王くんによると「そういう人がいないわけではないけど、ほとんどは普通に商売をしているだけだよ!」とのことである。「ほとんど」って何根拠なんだ……?売っているものに違法性があるということは、彼にとっては重要ではないらしい。

・配達もやっている
「興味はあるけどついていくのはねぇ」という人には配達サービスもしているらしい。彼にとって不思議なのは、教えられたホテルの部屋に行くと全く別人の部屋だったということが多々あったそうだ。

「先払いだから、お金はもらってる。でもウソの部屋を教えるなんて日本人は全くわけがわからないよ」とのこと。たぶん、途中で怖くなったんだよ……

・警察とトラブルになったことはない
「普通に商売をしているだけ」と言うが、売っているものは偽ブランドにしろ、海賊版DVDにしろ、売春にしろ法に触れるばかり。プラスかなり強引な客引き。警察ともめそうな要素は結構あるが、トラブルになったことはないという。「ボスがうまくやってくれているからね!」

・報酬は歩合制
では、客引きの給与体系はどうなっているのだろう。彼によると1人店に連れて行くごとに報酬が発生するという完全歩合制なのだそうだ。報酬は連れて行く店によって異なる。たとえば偽ブランド屋につれていけばいくら、売春宿につれていけばいくらと決まっているという。

・ぶっちゃけ儲かるの?
歩合制なら、客引きがあれだけ必死になるのもわかる。では実際、儲かっているのだろうか。王くんいわく「全然金にならない」とのこと。なので、彼は客引きをやめてしまったそうだ。

王くんは、今、上海の闇賭博場でチンピラ仲間と一緒に働いているという。今の月収は日本円で30万円くらいだそうだ。日本人だって20代で月収30万ってナカナカないぞ! そんな彼はまた「ディズニーランドに行きたい!」とのことである。

取材協力:K (Dr .Eng)
執筆:沢井メグ
photo:Rocketnews24.