現代日本は「格差社会」といわれています。そういえば、ひと昔前までは「みんなが同じくらい」の一億総中流の時代でした。どこの家庭もだいたい同じくらいの生活水準で、貧富の差を感じることはなかったものです。

しかし時は流れて、時代は平成の大不況下。収入格差を痛感させられている人も多いことでしょう。稼いでいる人はうんと稼いでいるけれど、稼げていない人は稼げていない、二極化が進んでいます。都心のタワーマンションに住み、高級外車を何台も所有するセレブもいれば、フルタイムで働いてもギリギリの生活を維持するのがやっとというワーキングプアと呼ばれる人々も少なくないのが現状です。

収入の格差は、生活水準のみならず、恋愛にも影響をもたらします。恋人との収入差が気になっているというお悩みは、男性からも女性からもチラホラ挙がってきています。

■男性の収入が女性の収入よりも多いケース
「男性が多いぶんには問題ないんじゃないの?」と思うかもしれませんね。その点に関しては、デート代が全額男性負担ならノープロブレムでしょう。しかし最近は、一方がどんなに稼いでいようとも、デート代はワリカンにしているというカップルも少なくないです。

女性側は、ワリカンに不満があるわけではありません。「回る寿司屋のワリカンなら出せるが、回らない寿司屋のワリカンはキツい」という意味です。回る寿司屋なら数千円で済みますが、回らない寿司屋だとワリカンでも1万円超えてしまいます。

「回らない寿司屋が当たり前という感覚の彼氏に、回る寿司屋に行こうとも言えず悶々としている」という状況は、なんとも切ないですよね。

そのほか、「彼氏はウン十万円のデザイナーズマンション住みだけど、自分はワンルームアパート。恥ずかしくて家に呼べない」というお悩みを持つ女性も。「家に行きたい」という彼氏からのリクエストを断わり続けているため、「不審感を与えていないか心配」と頭を抱えます。

■女性の収入が男性の収入よりも多いケース
日々のデートはワリカンでお互い納得していても、誕生日などプレゼント時に悩んでしまうのだとか。「アクセサリーひとつ贈るにしても、自分が買えるのはせいぜい数万円程度。しかしカノジョが普段身につけているのは、どれもこれもウン十万円の高級品ばかり。チンケなものと思われそう」など、これまた切ないお悩みです。

ご紹介したのはほんの一例ですが、恋人との収入格差には他にも様々なお悩みがつきまとうでしょう。解決法は……、「恋人と同じくらい稼ぐ!」という考え方もありますが、今すぐというわけにはいかないですよね。

今すぐ実践できる解決法は、やはり自分の考え方を変えることでしょう。まずは、相手に合わせすぎないこと。相手を好きだからこそ、合わせたいと思う気持ちが湧くのでしょうが、無理な背伸びは禁物です。「たまには寿司回らせてみようよ!」のひと言で、相手が「もしかして今まで無理をさせていたのかな」と気付くこともあるでしょう。

次に、正直になること。好きな人の前でいい格好を見せたい気持ちをぐっとおさえ、「うちね、ホンットにボロボロのアパートだけどビックリしないでね」とオープンにしちゃいましょう。「オートロックじゃないのは心配だなぁ。一緒に住むか?」と、同棲話が飛び出す副効用が期待できるかもしれませんよ。

そして、相手が自分に何を求めているかを冷静になって考えましょう。相手は決して「高収入な恋人」を求めているわけではありません。高価なプレゼントを求めているのではなく、好きな人からのプレゼントということが重要なハズ! だからと言って100円ショップのプラスチックアクセサリーというわけにはいきませんが、自分が買える範囲の品物を堂々と贈りましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ