今回は「自然消滅」のお話です。といっても、「この水を飲めば数カ月で悪性腫瘍が自然消滅しますよ」といった眉唾モノの通販商品のことではありません。男女間の付き合いにおける自然消滅についてです。

まず、自然消滅は卑怯な仕打ちなのでしょうか? その答えは、ケースによっても異なりますが、どちらかといえば卑怯という部類に属するでしょう。別れたいなら別れたいとはっきり告知すればいいものを、ひと悶着起こすのが面倒という思いから、徐々にフェイドアウトさせようという魂胆は卑怯千万! 自分が悪者になりたくないという責任回避行動でしかありません。

ですが、残念なことに、事なかれ主義の現代人が増えるのに比例して、恋愛を自然消滅で終わらせるパターンも増加しているようです。嘆かわしい現状ではありますが、どんなに卑怯だの責任回避だの吠えても、所詮他人を変えることは出来ません。

むしろ、相手を変えようとするよりも、自然消滅を狙われた時、自分がどのような行動をとるかが重要です。「恋人からのメールや電話が急激に減った」や「デートのドタキャンが増えた」、「もしかして自然消滅を狙われているのかも?」などなど、そんな時に大人の女性としてどのような行動をとるべきなのでしょうか? 

私は「去る者は追わず」というスタンスをオススメします。お相手の自然消滅という手段は卑怯かもしれませんが、手段はどうであれあなたと別れたいという意志に変わりはありません。そのことは、あなた自身もとっくに気付いているはずです。それにもかかわらず、「自分はあなたが好き」とか「だから別れたくない」と、くどくど言うのは明らかにムダですよね。相手にしてみれば、「態度でお察しください!」、「みなまで言わせるな!」といった心境でしょう。

あなた方は、もう両想いではないのです。あなたの片想いなのです。片想いの場合は、正式交際できないのが世の常。それを認めようとせず、「ちょっと前まではラブラブの両想いだったから、話せばわかってもらえるはず」というのはお門違いです。ちょっと前だろうと昔は昔! もう無効です。

それに、自然消滅にはメリットもあります。正式に話し合いをして別れると、それ以降連絡しづらくなりますよね。ですが自然消滅の場合なら、たとえば一カ月後に「久しぶり」と何事もなかったかのように連絡も出来ます。正式に終わったわけではないのですから、連絡したくなったら連絡できるという「自由」が発生するのです。一カ月前とはお相手も気持ちが変わっていて、あなたとのお付き合いが再開するかもしれません。

以上を踏まえると、相手が自然消滅を企んでいるっぽいなぁという時は、ジタバタ騒がず、流れに任せるほうがベターといえます。自然消滅を図る行為は確かに卑怯ですが、それを罵るのもみっともいいものではありません。落ち着いて行動しましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ