「ギブアンドテイク」という言葉がありますね。「相手に利益を与え、自分も相手から利益を得る」という意味です。もう少し簡単な言い方をすると、「持ちつ持たれつ」と言ったところでしょうか。
ビジネスの世界では当たり前とされている、非常に的を射た言葉ですよね。ギブアンドテイクの精神は、ビジネスだけでなく日常生活にも置き換えることが出来ます。カフェだろうとラーメン屋だろうと、代金を「ギブ」することによって、商品を「テイク」……、提供される仕組みになっています。つまり、世の中は「ギブ&テイク」で成り立っているといっても過言ではないのです。
恋愛においても然り。ビジネスや日常生活と同様に、「ギブアンドテイク」で成り立っています。「無償の愛」という言葉もたしかに存在しますが、私たち一般人が関わる恋愛ではほぼ皆無と考えていいでしょう。「何も求めないのが真実の愛」というのは、言葉としては美しいのですが、金銭や物品でなくても、人間は何かしら「相手から与えられること」を期待するものです。「愛する人からのメールが欲しい」や「愛する人とデートしたい」というのも、そのひとつです。
「相手から与えられること」を期待するのは、決して悪いことではありません。カフェやラーメン屋においても、代金を払ったら商品が出てくるのは当たり前と思いますよね。「300円払いましたが、商品は不要です」というお客さんなど見たことがありません。
ところが恋愛においては、「相手から与えられること」ばかりに意識が向いて、「自分から与えること」を忘れている人が、残念ながら存在します。「仕事が忙しくてもメールくらい打てるでしょ!」とか「毎週土日は私のために必ず予定を空けておいて!」と求めるのは大いにけっこうです。しかし、貴女からは何を与えられますか? 「付き合っているのだから、メールをくれるのは当たり前でしょ!」や「付き合っているのだから、毎週土日は男友達の誘いは全て断って、私と会うのが当たり前でしょ!」という理屈は通用しませんよ。
恋愛は「ギブアンドテイク」だからです。といっても、男娼を買うわけではないのですから、彼氏に金品を与えよと言っているのではありません。貴女とのメールのやりとりが楽しければ、貴女と過ごす休日が楽しければ、そのこと自体が「与えること」に相当します。
ですが貴女のメールや、貴女と過ごす休日が、彼氏にとって負担になるのでメールをくれないのでしょうし、会ってくれないのでしょう。そう考えると、「なんでメールくれないの?」とか「なんで会ってくれないの?」という要求が、どれだけ一方的でみっともない要求か気付けますよね。せめて、「メールください。その対価として、プロ級の洗体マッサージを提供します」とか、「会ってください。その対価として、アソコでバナナを切る曲芸を披露します」くらいの条件提示はするべきでしょう。それが、「ギブアンドテイク」というものです。