尖閣諸島問題を引き金に一気に表立った「反日感情」。 の起きた9月18日前後には各地でデモが行われた。首都北京から遠く離れた広東省でも大規模なデモが行われた。一部が暴徒化し略奪や破壊行為も行われたと伝えられている。すべては「愛国」のため。
その様子を現在進行形で「愛国教育」を受けている子ども達はどう見ているのだろう。デモ終了直後の現場で行われた子供へのインタビュー動画が話題となっている。以下が子ども達の言葉である。
9月16日、デモ隊が通り過ぎたあとの広州市。撮影者は、2人組と男女3人グループにインタビュー。子ども達の年齢は明かされていないが、2000年以降生まれらしい。折りしも彼らは学校で“鬼畜”の旧日本軍との戦いを描く「抗日映画」を見せられたところだったそうだ。
――第二次世界大戦で日本はどうやって投降したか知ってる?
(2人組)
「中国が追い払ったんだ、あとアメリカが原子爆弾を日本に落としたから」
(3人グループ)
「日本がアメリカのパールハーバーを奇襲して、それからアメリカが日本に原爆を2発落とした
――魚釣島(尖閣諸島の中国名称)はどこにあるか知ってる?
(2人組)
「台湾からちょっと行ったところ!」
「(台湾の)上の方!」
(再び3人組)
「本当に日本製品がボイコットされちゃいそう」
「でも僕は中国だってあんな風に襲撃したり(日本メーカーの)車を壊したり、やりすぎは良くないと思うんだよね」
「ウヨクだよー」
「結局彼らが壊しているのは自分たち中国人の財産でしょ」
「しかも中国の法律にまで違反してる。ちゃんと法律を守るのが愛国だと思う」
「彼らは中国製品がって言っているけど――」
「僕は中国のメーカーはもっと製品のクオリティを上げていかないといけないと思う。今、日本は中国の国土に対してあんな風だけど、やっぱり他人のいいところは見習うべきだと思うんだ」
ここでインタビューは終了だ。
これを見た中国ネットユーザーは
「子どもの方がよく考えてるじゃないか」
「中国には未来がある、ほっとした」
「素晴らしい」
「その通りだ。他国のいいところを見習えないようでは中国に発展はありえない」
「これは拡散希望!」
「暴れた人はこの動画を見たら恥ずかしくなるよ」
「異なる時代の教育と環境で人はこんなに違うものなんだなぁ」
「こういう自分の考えを持った子が増えれば、中国はより良い国になるだろう」
などとコメント。彼らの冷静さに感銘を受けた声が多い。
「彼らの反応=全ての中国人の子供の反応」ではない。大人と一緒にデモに参加している子供もいる。だが、少なくとも「デモのためのデモ」「憎しみの悪循環」に陥っている人々と比べると彼らの方がよっぽど客観性があると言えよう。
また、彼らの発言には、日本の立場とは相容れない部分もある、しかし目の前で盛り上がる反日デモや直前に見た抗日戦争映画にもブレずに冷静でいる彼らからは我々も学ぶところがあるのではないだろうか。
(文=沢井メグ)
参照元: Youku luduo8
▼こちらがその動画だ
▼インタビューを受けた子供達