ケンタッキーフライドチキンで売られているコーンといえば、透明のケースに入ったサイドメニュー「コーンサラダ(220円)」である。プリプリとしたコーンが、甘みもあって実にうまい。

だが! 中国で売られていたコーンは一味違う。とうもろこしを輪切りにして、中心に棒をぶっ刺した形式で、黄色いビニール袋に包まれた状態で売られている。このスタイルを見て「懐かしいッ!」と涙した人は、おそらく30歳すぎの大人であろう。

そう、かつては日本でも、この「黄色いビニールに包まれた棒ぶっ刺しトウモロコシ」がケンタッキーで売られていた。私の記憶が正しければ、「塩の入った袋」も付いていた。バターも染みており、実に、実に美味かったのだ。

そんな懐かしのスタイルが、なんとまさかの中国・北京のケンタッキーで! 楽しかった幼少時代を思い出して、思わず泣きそうになった。そして迷うことなく購入した。塩袋は付いていないが、この姿かたちは昔のまんまだ! ドキドキしながら封を開けた。そんでもって、食べてみた!

――ところが!

まさかまさかの激マズだったのである。甘み、ゼロ。一粒一粒の皮も分厚く、なんというか「野菜」である。「おいしいトウモロコシの味」が、まったくしないのである。海外で売られている味の薄いトウモロコシ……が、そこにはあった。

ものすごく悲しかった。スタッフさんは親切でイイ人だし、オリジナルチキンも、激辛クリスピーも美味しかった。だが、このコーンだけは思い切り私(記者)の期待を裏切ってくれたのだ。まさかの仕打ちに、私はさめざめと泣いたのである。

(写真、文=GO

▼とうもろこし選びからもう一度考えなおして欲しい。