恋愛ハウツー本と呼ばれるジャンルの書籍、皆さんも一度は手にしたことがあるかと思います。「コンパや飲み会では、積極的に大皿料理を取り分けましょう」や「気になる異性にはさりげなくボディタッチしましょう」など、たし算テクニックも書かれていれば、「度が過ぎる下ネタトークは控えましょう」や「不幸自慢や自虐ネタは控えましょう」など、引き算テクニックも紹介されていますね。今回は引き算テクニックの中から、「おもしろトークは控えましょう」という恋愛テクに注目してみたいと思います。

全てのケースにあてはまるわけではないのですが、トークが面白すぎる「お笑い女子」は、場を盛り上げるという意味では重宝されても、モテ部門ではウケがよろしくないようです。「おもしろいことが言える = 頭が良さそう」と見なされ、敬遠されてしまうのでしょうね。たしかに、雑誌の「彼氏・彼女にしたいタイプ」などのアンケート結果を見ていても、彼氏部門は「おもしろい人」が上位にランクインしていますが、彼女部門は「優しい人」や「明るい人」などが上位を占めていて、「おもしろいオンナが好きだ!」と答えている男性は滅多に見かけないですよね。

ですが私は、あえて「おもしろいオンナ」になることを推奨したいと思います。というのも、世の中あまりにも「おもしろくないオンナ」が多いような気がするのです。

「彼氏が、男友達との予定ばかり優先して会ってくれない」とか、「毎日メールしたいのに、こっちからメールしてもなかなか返信が来ない」などボヤいている……もとい、お悩みを抱えている女性が多いように見受けられますが、なぜ彼氏が会ってくれないのか、メールしてくれないのか、考えたことがありますか? 男友達が多いからでしょうか。メールが苦手だからでしょうか。違います。貴女がおもしろくないからです。

男友達との遊びと、貴女とのデートを天秤にかけ、前者のほうが「おもしろい!」というジャッジになると、そちらを優先するのは当然のことですよね。「彼氏の男友達と張り合うのは違う気がする」という意見があるかもしれません。それも一理あります。だったら、別の部分で勝負するということになりますが、彼氏の男友達に出来なくて、貴女に出来ることといったら、ずばりセックスです。にもかかわらず、「毎回エッチしちゃうと、カラダだけのオンナって扱いになるのが怖い」と、セックスを拒否したりしていませんか? それでは、彼氏はますます貴女から遠のいていきますよ。

体調不良などやむを得ない事情がある場合は別として、かけひきや計算に基づいた理由でセックスを拒むのはNG! ということを大前提にして、プラスアルファで「おもしろいオンナ」になれば、彼氏と会う回数を増やすことはいくらでも可能です。

といっても、いきなり「おもしろいオンナ」になろうとしても無理があるでしょうから、まずは「脱・おもしろくない女」を目指しましょう。とりあえず、現段階で彼氏と交わしている会話の中から、おもしろくない会話を引き算していけばいいのです。「私のこと好き?」や「愛しているって言って!」、「浮気してない?」などなど……身に覚えがある人は要注意ですよ。彼氏にとっておもしろいわけがないですよね。

メールとて同じこと。「○○クンに会いたいぉ」「○○クンに会えなくて寂しいぉ」など……、自分の感情を埋めることばかりで、彼氏を楽しませようという工夫が1ミリも感じられない文面はNGです。

今までの会話やメールから、おもしろくない部分を引いていくと、話題がなくなるという女性もいるかもしれませんね。とりあえずはそれでOKです。いったんゼロにリセットされたことで、「じゃあ彼氏がおもしろいと感じる会話やメールはどういったものだろう?」と考えるようになります。

会話断捨離、とでもいいましょうか。おもしろくない部分を全て削ぎ落とすことで、おもしろいオンナへと生まれ変わるビッグバンを起こしましょう。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子