世界中で愛されているアップル社の製品。同社は訴訟を多く抱えていることでも有名だ。なかでも韓国企業サムスンとは、世界10カ国以上で互いを訴えている。先日、米国ではサムスンのGALAXY Tab 10.1はiPadの模倣が認められるとして販売中止の判決が出たことも記憶に新しい。

そんななか、イギリス司法がひとつの判断を下した。アップルの「サムスンのGALAXY TabはiPadのデザインを模倣している」という主張を退けたのだ。しかも、その理由が「GALAXY TabはiPadほどカッコよくないため、模倣とは言えない」というのである。

かねてより、アップルは、イギリスで「サムスンのGALAXY TabのデザインはiPadのデザインを真似ている、意匠権を侵害している」として訴えを起こしていた。

この訴えに対し、イギリス高裁は、「確かにGALAXY TabとiPadは同類のデザインだ。しかしGALAXY Tabの方が薄く、背面のディティールも異なる」とした上で「iPadは究極のシンプル美を追求しているのに対し、GALAXY Tabはそれほどでもない。iPadほどカッコよくなく、両者のデザインが人に与える印象も異なる」とした。

サムスンはこの判決を「喜んで受け入れる」と表明。「我々の知的財産権を守るということは、あらゆる企業の知的財産権を尊重するということだ。もしアップルがデザインについて他の国でも訴訟を起こせば、業界全体の新製品開発にも支障が出る。消費者の選択の自由も制限される」とコメントしている。

今回の裁判ではサムスンが勝利したことは間違いない。この判例が今後、2社の訴訟問題に何か影響するかもしれない。しかし「GALAXY TabはiPadほどカッコよくない」と太鼓判を押されてしまったことについてどう思っているのだろうか。その点については特にコメントは出されていないようだ。

イギリス高裁はアップルに21日間の上告期間を与えると発表している。「GALAXY Tabよりカッコいい」と評価されながら訴えが認められなかったアップルはどう出るのだろうか。

参照元:SCI-TECH-TODAY(英語)

photo:Rocketnews24.