私がスマホに求めるのはAndroidであることと、日常生活に不可欠な「おサイフケータイ」に対応していること。そして、最新のソシャゲを快適に楽しめる点の3点だ。
言うまでもなく、この記事もそのスタンスで書かれている。したがって「スマホに求めるのは林檎のマーク!! 林檎が描かれていれば木の板でも構わない!!!」だとか「カメラ性能!! 高性能なカメラがついていれば通信機能は不要!!!」みたいな人向けではない。
・つまりXperia
さて、Androidであることと、「おサイフケータイ」に対応していることについては、国内で流通している大手のスマホなら、だいたい満たしていると思われる。
しかし3番目は選択肢が限られる。これを満たすためには、その時々における各メーカーのフラッグシップ機であることが望ましい。
他にもスピーカーの音質が満足いく水準であることや、ゲーミング用にリフレッシュレートやタッチの精度をカスタマイズできる機能も欲しい。
また、私にとってソシャゲの楽しみ方には、プレイ動画を録画したりスクショを撮ったりしてSNS等に公開することも含まれている。
つまりプレイ中にスクショや録画しやすいことと、大量の画像と動画データを保存しておくため外部SDカードに対応していると嬉しいが、本体に1TBくらいあるならそれでもいい。オンラインストレージは宗教上の理由で論外だ。
他にもこまごまとあるが、とにかくこの3つ目の条件を満たすために求められる要素が多いのだ。そして何だかんだで、Xperiaだなと。
まあ些細な不満が出ることはあれど、トータルでこれより私個人の需要を満たすスマホは無い。ということで、XZだったり5シリーズだったり1シリーズだったりとその時々で違ってはいたが、わき目もふらず一貫してXperiaユーザーであり続けてきた。
SONYも私の様なソシャゲプレーヤーをターゲットにしているようで、「Game Enhancer」という機能を搭載するなどしている。
ランチャーをXperia伝統のシャッターボタンに割り当てられるのが、画面をスワイプせず起動できて快適だ。
「Game Enhancer」では通知のオフやタッチやスライドへの反応度合いなど基本的なことの他、そこそこ前の機種から録画開始の30秒前に遡って記録できる「R.T record (Rewind time record)」も実装された。劇的なシーンを逃さない。
私は使ってないが、きっと人によってはこだわりのポイントであろうゲーム中の画面のホワイトバランスまで設定できるなど、細かいところまで極まっている。
唯一プレイしていた音ゲーが2023年6月30日16時00分にサ終してしまったので最近は使っていないが、外で音ゲーの高難易度をプレイする際に有用な有線イヤホンにも対応し続けてくれているなど、稀有な存在だ。
・えっ、Galaxyってそうなの?
そんなわけで、今年も最新機種である「Xperia 1 VI」をキャリア版の販売開始初日にゲット。鬼のようなスペックを要求してくる「学園アイドルマスター」をより快適にプレイするためにも必要だった。
特に不満無く使っていたのだが、先日「Galaxy S24 Ultra」使いの知人と秋葉原にいた時、Xperiaから消えて久しいが、Galaxyには実装され続けていたらしい、ある機能の仕様を知ってしまい、急速にGalaxyに機種変したくなってきているのだ。
・片手モード
それがAndroidに搭載されている「片手モード」だ。「Xperia 1 VI」で使用したらこうなる。画面の上半分が下に降りて来るのだ。
片手でも上に届きやすい! みたいなのがウリ。細かい仕様の差異はあるのかもしれないが、Android 12からずっとこんな感じだったと認識している。
確かに上に指は届くのだが、しかし表示しているコンテンツの左端には平均的な成人中年男性の手のサイズでも指は届かず、下の方はそもそも表示されておらず、言うほど「片手モード」ではない。
片手しか使用不可能な場面で、スマホを握りつつ頻繁に表示コンテンツの上下左右全域に指を届かせたい場面への対処は不可能な機能だと感じている。
少なくとも快適なゲーミングが目当ての私にとっては使い道がなく、今日が2度目の使用というレベルで不要。
しかし、実はAndroid 11まで、私はかなり熱心な「片手モード」ユーザーだった。なぜなら、当時のXperiaに実装されていた「片手モード」は、マジで神仕様だったからだ。
この通り、全体がまるっとそのまま縮小される仕様。無理のない親指の可動域に全てが入っている。
しかもサイズを自由に変更可能。
位置も左右のどちらに寄せるかを選べて、上下には自由に動かせるのだ。完璧だろもう。電車のつり革につかまっている時は常時片手モードだった。
これがAndroid 12で変更され、今と同じような仕様になった時は正直ブチ切れた。しかし、Androidの仕様は神(Google)が定めるもの。それに抗うことは誰にもできない……そう思って諦めていたのだ。
しかしSamsungにはできたもよう。先日「Galaxy S24 Ultra」使いの知人が右手だけでスマホを操作する様子を見ていたら、かつてのXperiaに実装されていた神だった「片手モード」と同じと思しき機能があるではないか。
マジかよGalaxy……! あの神仕様が現役だなんて! 変更からそこそこ経って、今さらXperiaの「片手モード」にケチをつけ始めたのは、Xperiaから失われた神仕様をGalaxyが現行で採用していると知ってしまったからだ。
Xperiaも神に逆らってかつてのモードに戻すか、あるいは設定からどちらにするか選べるようにしてほしいところ。
Galaxyにイヤホンジャックは無いが、もう音ゲーをやっていなのでそこは諦めがつく。私はXperiaの「Game Enhancer」の方が優秀だと思うが、Galaxyの「Game Booster」も悪くない。
「Galaxy S24 Ultra」は外部SDカードが使えないそうだが、1TBのモデルがあるなら問題ない。Xperia側の長所も多いが、全て諦めてGalaxyに乗り換えも悪くない気がしてきている。私にとって、あの「片手モード」はそれほど魅力的なのだ。
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.