2012年7月4日に全国デビューをはたしたヘビメタ系アイドルユニット「アリス十番」。以前にご紹介した通り、彼女たちは驚くほど貧乏で2月に取材した当時、メンバー8人(当時)の所持金は全員合わせても5000円しかなかった。それだけでなくその後に、メンバーの解雇やケガが相次ぎ、一時は存続も危ぶまれていたのだ。
ところが全国デビューをはたすと、猛烈な勢いでCDの販売数を伸ばし、オリコンデイリーチャートの総合で15位を記録。7月8日に行われた東京・渋谷のマルイ前のライブで2200枚ものCDを手売りしたのである。この勢いは見過ごすことができないッ!
■驚異の給与明細、ジリ貧アイドル時代
彼女たちが結成されたのは、ちょうど1年前の2011年8月のことだ。所属事務所アリスプロジェクトの異なる三つのユニットが融合し、ヘビメタ系という異色のアイドルユニットアリス十番が誕生した。まったくの無名であるだけでなく、事務所自体も誕生して間がなかったために名前を売るだけでも大変。当然アイドルとしての仕事もそう多くはなく、2012年1月の給与明細はもっとももらっている人でも6万円に満たなかった。
■メンバーがファンと交際し解雇
実は2012年3月に、当時所属していたメンバー4名がファンと親密な関係になり、うち一名はファンと交際している事実が発覚。解雇や謹慎の処分となったのである。さらに追い討ちをかけるように病気やケガが相次ぎ、最大17名だったメンバーは一時的に8名に。
■根性で乗り切った現メンバー
当然ライブパフォーマンスは変更せざるを得ず、残ったメンバーはライブ前日深夜までリハーサルを繰り返すということが頻繁に起こった。お金がないうえに、過酷なスケジュール。普通の努力では乗りこなせないような、厳しい日程を現メンバー10名は根性で乗り切り、とうとうCDのリリースに至ったのである。
■インディーズでは異例の総合チャート入り
その甲斐あって、発売日以降オリコンデイリーチャート、総合で22位、20位と順調に順位を伸ばし15位にまで上り詰めたのである(2012年7月7日現在)。完全に無名で逆境ばかりに立たされえていた彼女たちに、ついに追い風が吹いてきた雰囲気。しかし関係者は予断を許しておらず、「安堵するには程遠いです」と厳しい表情を浮かべている。
ちなみに7月8日の渋谷マルイ前で行われた無料ライブで、2200枚のCD販売数を叩きだしている。この数字は、別ユニットで一週間かけて販売した数だ。それをアリス十番は一日で達成してしまったのである。7月11日にはウィークリーチャートが発表になる。そのとき彼女たちはいったい何位にいるのだろうか? いずれにしても、数々の困難を乗り越えてきたアリス十番にさらなる注目が集まりそうだ。
参照元:CDの詳細 アリス十番『夏だね☆/負けないで☆』初回盤、通常盤
取材協力:アリスプロジェクト,アリス十番
Photo:Rocketnews24
▼ 2012年7月8日、東京・渋谷マルイ前のライブ
▼ 2012年2月の映像
▼ 2012年3月、お金のなかった彼女たち
▼ 少数のメンバーで臨んだ全日本プロレスリングでのライブ
▼ そしてオリコンデイリーチャート、総合15位に
▼ ライブ後の握手会の様子、リーダーの桜のどかさん
▼ 余裕のピースサイン、立花あんなさん(左)。握手に応じる藤崎麻美さん(右)
▼ ファンの言葉に涙ぐむ桐谷真央さん