4月です。入学シーズンです。道を歩いているとピカピカの小学生とすれ違います。夢と希望に胸をふくらませて、がんばれ少年少女!

さて、自分たちの常識は世界の常識でも慣習でもありませんよね。日本で当たり前と思っているシステムも海外では全く違ったものに。それは学校のシステムも同じです。ということで、今回は12年アメリカに住むOさんに、日米の小学校の違いについて話を聞きました。

1. 入学式がない
満開の桜の下、校門をくぐり、上級生の歌や校長先生のお話をどきどき、わくわくしながら聞く入学式。アメリカにはそんなものはありません。クラス分けを見て、そのクラス番号のついた教室に親が送っていく。初日からその程度。感動も何も感じることはありません。

2. 上履きも体操着もない
日本ではほとんどの学校が上履きに履き替えますが、アメリカはそのまま。体育のときも自分が着てきた服のままで行います。

3. 教科書がない

上級生になると教科書がありますが、低学年はほとんど教科書を使いません。ノートもありません。先生が用意したプリント類で勉強し、それを持って帰宅する程度です。

4. ノートもなければ、えんぴつも必要ない?
教科書もノートも持って行かないことに驚いていてはいけません。それだけではなく、えんぴつも消しゴムも、すべて学校にあるので自分で持って行く必要はありません。日本でよくあるお道具箱と似たものは用意しますが、その後の補充は学校がしてくれるところがほとんどです。

5. 体育があっても音楽がない?

州がまるで国のように機能しているアメリカでは、州や市の財政によって学校のクオリティに大きな違いがでます。たとえば破綻寸前のカリフォルニア州では多くの小学校が、財政難により体育や音楽などの科目がカットされており、音楽があっても体育はなし、体育があっても音楽ない。なんていうことが起きています。

6. 体育館がない
日本では普通にある体育館もアメリカの公立小学校にはないことも多いのです。私立に見学に行くと、「我が校にはこんな立派な体育館があるのですよ!」と胸をはって自慢されることも。

7. 親のボランティアと寄付活動が盛ん
アメリカでは、親のボランティアなしでは授業が成り立たないと言っても過言ではありません。生徒のファイルにプリントを入れたり、宿題の添削をボランティアの親がやることも少なくありません。遠足ではボランティアの親達の車に分乗、ということもよくあります。ボランティアになるためにはツベルクリン(結核検査)を受け、陰性であることを証明しなければいけません。また常に予算不足の学校では、資金集めも親の大切な役目とされています。子供たちにカタログが配られ、友人や親戚に買ってもらう。するとその売り上げの一部が学校に入る。たくさん売った生徒にはおもちゃのご褒美が…。

8. 先生への謝礼は常識
先生の誕生日やクリスマスなど、先生へギフトを渡すのは常識ともいえるほど。それは子供からのお手紙だったり、手作りケーキだったり、はたまた商品券だったりと内容も家庭によってさまざまです。

9. 遠足はクラスによって違う

日本では一学年、みんなで同じ場所に行きますが、アメリカでは各クラスの先生が場所や日時を決めるので、行く場所も行く日もクラスによって違います。先生の意向で遠足なし!なんてクラスも。

10. 留年がある

義務教育の小学校でも留年があります。先生がその生徒の学習レベルが達していないと判断した場合は、その学年をもう一度繰り返さなければなりません。また留年ではありませんが、早生まれの子供の場合、お親の希望で入学を一年遅らせる事も可能です。

いかがでしたか?どちらのシステムがいいと言うことはできませんが、日本から転校するとそのギャップにカルチャーショックを受ける人は多いようです。どちらにせよ、子供たちが楽しく、充実した学校生活を送ることができればそれが一番重要なのですが。

注:学校のシステムは州や地域によって異なります。ここに書かれている内容が全米で行われていることではありません。