日々進化を続けるロボット開発技術。製造建設の分野はもちろんのこと、最近ではサービス業にも新たな技術が用いられるようになって来ている。人間の作業を手助けするだけでなく、癒しさえもロボットが担う次代に入ってきているのだ。

2011年11月に開催された「2011国際ロボット展(iREX2011)」では、もっとも進んだ癒しロボットとして、富士通が開発した子ぐま型のロボットが出展されていた。見た目はぬいぐるみのように見えるのだが、侮るなかれ。なんとこれは「ソーシャルロボット」と位置づけられており、豊かな感情表現をするだけでなく、鼻に搭載されたカメラで相手の状況を把握することさえ可能なのである。

このロボットは可愛らしい姿に反して、最先端の技術が搭載されている。まず鼻の先端に小型カメラが備えられており、ロボットは相手の顔を見たり、動作を模倣するのである。

そして13カ所の皮膚タッチセンサーで、触れられた感覚を把握。なでたり触ったりすると反応を示す。このほか、傾斜センサー、腕にぎりセンサーまで備えられているのだ。また、マイクとスピーカーが内蔵されていて、呼び声に反応して自発的に鳴き声を上げることもある。

それだけではない。ロボットには3種の性格が設定されており、「快活な性格」、「落ち着いた性格」、「人見知り」それぞれに応じて、示す反応も異なるのだ。

これだけでも十分驚かされるのだが、ネットワーク連携でユーザーの状態に応じたサービスの提供を目指しているという。具体的には学習意欲向上を目指した「教育支援」、情操教育に活用する「保育支援」、高齢世帯を対象とした「高齢者支援」、介護施設を対象とした「介護支援」など。同社は、このロボットをペットのような良きパートナーになることを目指している。そして、今までにないまったく「新しい端末」の実現を最終目標にして、現在も開発を進めているようだ。

もしもこれが、本当に端末としての役割を担うようになれば、最近話題になることが多いiPhone4Sの音声アシスタント「Siri」を越える存在になるに違いないだろう。可愛らしい見た目で、バリバリとタスクをこなされたりしたら、溺愛してしまうかもしれない!?

写真:Rocketnews24

▼ 反応が可愛らしい子ぐま型ソーシャルロボット